10月4日は投資の日。制度の使いこなし方のコラムでは、9月27日から投資の制度のコラムを書いています。9月27日の制度の使いこなし方のコラムでは、NISA制度についてを書き、10月1日のお金とのつきあい方コラムのNISAを使って何を備えるか?につなげました。10月4日の制度の使いこなし方のコラムでは、つみたてNISA制度について書き、10月8日のお金とのつきあい方のコラムのつみたてNISAを使って何を備えるか?につなげました。10月11日のコラムではiDeCo制度について書きましたので、今回のコラムは、iDeCoを使って何を備えるのか?です。
iDeCo制度を使う目的は、iDeCoの特徴を活かしてお金を備えるためです。iDeCoの特徴とは、
- 60歳まで引き出せない
- 運用益には税金がかからない
- iDeCo口座に積み立てた金額は所得控除の対象となり、税金を安くする効果がある
の3つです。
60歳まで引き出せないという特徴を活かすなら、やはり60歳以降に使う資金の準備に使うのが一番でしょう。60歳以降に使う資金で、大きな資金と言えば、老後資金です。あなたが仕事から得られるお給料が今よりも少なくなったり、もしくはお給料がなくなったりしたときに、生活資金のために備えるお金です。老後資金の中で大きなウエイトを占めるのは、あなたが今お給料から引かれている厚生年金から受け取る公的年金(老齢年金)です。公的年金にプラスしてお金を備えておけば、余裕のある生活を送ることができます。そのために、今のうちに将来のために備えておくために使う制度の一つが、iDeCoです。もちろん、NISAやつみたてNISAでも備えておいてもかまいませんが、NISAやつみたてNISAは、いつでも引き出せる、という特徴があります。いつでも引き出せるとなると、60歳までであっても、必要なお金があれば引き出して使うことも可能です。確実に60歳以降でないと引き出せないというiDeCoの特徴は、老後資金のためという目的のためにはぴったりでしょう。
運用益には税金がかからないという特徴は、NISAやつみたてNISAと同じです。運用は最終的に受け取る金額が定まりませんから、必要な時期や必要な金額が明らかに決まっているものには向きません。老後資金をiDeCoで準備するのは、あくまでも公的年金の”プラス”です。受け取る時期が近くなれば、iDeCoの運用商品の中に必ずある定期預金で金額が大きく変動するのを防いでおくという方法もあります。
iDeCo口座で積み立てた金額を所得控除で使えるのは、会社員でお給料という収入がある人には嬉しいことでしょう。支払う税金を少なくすることができれば、手元に残るお金も多くなります。年末調整で手続きを済ますことが可能ですので、年末調整の時期には、支払った金額を申告することを忘れないようにしましょう。
iDeCoの特徴は、NISAやつみたてNISAと同じところもあれば違うところもあります。上手に活かして、将来に備えていきましょう。ただし、制度があるからといって、将来の準備だけに目を向けて、現在の生活を切り詰めることをしては本末転倒です。あくまでも公的な社会保障のプラスという位置づけで、できる範囲で使いましょう。iDeCoも、NISAも、つみたてNISAも、社会保障に自分でプラスする制度です。