給与明細を読もう!第7回は、控除欄に書いてある所得税と住民税です。所得税と住民税は、前々回の社会保険料、前回の雇用保険料とちがう計算をします。所得税と住民税はセット、というのは、同じものを元に計算されるからです。
何を元に計算されるのか?
あなたのお給料と、家族状況です。あなたがお給料にも収入がある場合には、他の収入もプラスされますが、今回はお給料のみの収入ということでお伝えします。
- 所得税
所得税は、毎月のお給料から、
- あなたのお給料の金額
- あなたの扶養家族の人数
から毎回計算し、仮払いの金額でお給料から控除されています。こちらの源泉所得税額表を使います。
国税庁ホームページ
例えば、
- あなたのお給料が20万円
- あなたが扶養している人がいない
場合は、お給料から引かれる所得税は4,770円です。毎月の給与からの仮払い、そして賞与からも仮払いされる所得税のことを、源泉所得税と呼びます。
源泉所得税は、ずっと仮払いでしょうか?
そんなことはありません。仮払いは1年に一度精算します。仮払いの源泉所得税の精算の手続きを年末調整といいます。
- 住民税
住民税は、所得税と同じように給与収入を元に計算しますが、計算は所得税とは1年ずれます。年末調整で所得税を精算し終わったら、そのデータが会社からあなたが住んでいる市区町村に送られ、市区町村が住民税を計算します。そして、次の年の5月に、会社に昨年の年のあなたの給与収入を元にした住民税の通知が届きます。特別徴収税額の通知書といいます。6月にはあなたの手元に届きます。
大阪市ホームページより
特別徴収税額の通知書に書いてあるのは、あなたがこれから払う1年間の住民税の金額。これを12回に分けて、毎月のお給料から引かれます。
所得税と住民税、計算方法はちがいますが、共通していることがあります。
それは、お給料から引かれた所得税と住民税は、会社があなたに代わって納付してくれていることです。あなたは、税金を払っているという感覚はないかもしれませんが、お給料から引かれていることにより、所得税と住民税をきちんと納税しているのですね。
社会保険料、雇用保険料、所得税、そして住民税。お給料から控除されているものについてお伝えしました。それ以外にも引かれているものは、会社独自で引かれているものです。ただ、会社が勝手に引くのはダメですので、会社と、社員の代表とが約束を結んで(協定といいます)、お給料から引くことになっているものです。控除欄も、毎回きちんと確認しましょう。
次回は、お給料に影響を与える代休と振替休日についてお伝えします。
今日のポイント
- 所得税は毎月のお給料から仮払いで引かれ、年末調整という手続で精算される
- 住民税は決まった金額が引かれている