NISAとは、投資を行う人のための非課税制度です。非課税とは、税金がかからない、ということです。投資信託などに投資した場合、受け取る利益には税金がかかります。NISA制度を使って投資信託などに投資すると、この税金がかからなくなります。
(金融庁ホームページより)
では、NISA制度を使うにはどうすればいいのでしょうか?
NISA口座を金融機関で開けばいいのです。
普通預金や定期預金の口座では、受け取る利益、つまり利息には税金がかかります。NISA口座を金融機関で開き、その口座を経由して投資信託などを買う、これがNISA制度を使う、ということです。NISA口座では預金ができません。預金は、普通預金や定期預金の口座を使います。NISA口座を経由して買えるのは、投資信託や株式です。
NISA口座は特別な口座です。預金口座とちがう特徴があります。
- 買った投資信託などから受け取る利益には税金がかからない
- 1人一口座しか開けない
- 投資枠は1年間で120万円まで
- 税金がかからない期間は5年間
- NISA口座は2023年までしか使えない
特徴の4つ目、税金がかからない期間の5年が終了した後はどうすればいいのでしょうか?次の3つから選べます。
- 投資信託などを売却して現金にする
- 税金がかかる口座に移す
- 翌年のNISAの税金がかからない枠に移す
この3つ目を、ロールオーバーといいます。
NISA口座の1年間とは、1月から12月です。税金がかからない期間が終わる5年目の12月31日が来る前に、税金がかからない期間が終了しますがどうしますか?の問い合わせが金融機関から届きます。
私も、2016年にNISA口座を利用して買った投資信託がありますがどうしますか?の問い合わせが金融機関から届きました。2016年にNISA口座を利用して買った投資信託は、2020年12月までしか同じNISA口座内で持っておけないんですね。ですから、3つの選択肢のうちどれかから選ぶ必要があります。私は、ロールオーバーを選びました。ロールオーバーの手続は、金融機関にロールオーバー依頼書を提出するだけです。これは金融機関に行ってもいいし、インターネット上で提出することもできます。他の2つの選択肢を使いたい場合も同じです。
ロールオーバーする場合、12月末時点での投資信託の価値で、次の年の税金がかからない枠が使えるかどうかが決まりますので、もし次の年に新しく別の投資信託などを買いたいと思っている場合は注意しましょうね。
どういうことかといいますと・・・。例えば、2016年にNISA口座で買った投資信託100万円が、12月末時点で120万円を超えていれば?
次の年はNISA口座で新しく別の投資信託が買えなくなります。NISA口座の税金がかからない枠は120万円です。ロールオーバーというのは、2016年に買った投資信託等をそのまま6年目の2021年のNISA口座に移すことです。2016年に買った投資信託が120万円を超えていれば、2021年のNISA口座にロールオーバーすると、2021年のNISA口座の枠は2016年に買った投資信託でいっぱいになります。新しく投資信託などを買おうと思っても、NISA口座を使って買うことはできず、課税口座を使うことになります。課税口座を使うと、利益には税金がかかります。
ですが、もし2016年に100万円で買った投資信託が12月末時点で80万円になっていれば?
NISA口座の税金がかからない枠は120万円ですから、2021年のNISA口座にロールオーバーをすると、残り40万円は枠が残っています。40万円は、2021年1月から新しく投資信託などを買うことができます。
ロールオーバーの手続は12月末までにしないといけませんから、悩ましいところではありますね。あまりNISA口座を利用して投資信託を買っておらず、枠が十分あるときにはロールオーバーでいいと思いますが、もし120万円ギリギリだったら?
ただし、悩みすぎてどれも選ばないと、課税口座に移されることになりますのでロールオーバーを使いたいときはきちんと12月までに手続をしましょう。12月までに決断は必要ですよ。
そして、特徴の5つ目に書きましたが、NISA口座の制度は2023年までです。ん?そうすると?今年2020年に買った投資信託などは売るか課税口座に移さなきゃならないの?大丈夫です、2024年から新しいNISA口座の制度が始まります。ただ、新しいNISA口座の制度は、今までのNISA口座の制度とは少しちがいます。それは次回にお伝えしますね。
今日のポイント
- NISA口座を利用すると、5年間利益に税金がかからない
- 5年たつと、ロールオーバー、売却、課税口座に移すの3つから選ばないといけない。