前回は、年末調整とは何か?について書きました。今回は年末調整の2回目、年末調整のときに提出する書類です。会社によっては、書類に書いて提出するのではなく、画面に入力する場合もありますが、書くか入力するかのちがいだけです。
- 扶養控除等申告書
年末調整を受ける人は全員提出する書類です。
ちょっと疑問に思ったことはありませんか?他の書類は、その年(今年なら令和3年分)なのに、この扶養控除(異動)申告書だけは、いつも来年(今年なら令和4年分)のものを書かされる。なぜ?
実は、扶養控除(異動)申告書は、年末調整のためにあるのではなく、1年間に支払われるあなたのお給料や、賞与の所得税の計算のためのものでもあるからです。ですから、毎年年末に行われる年末調整のときに、来年1月以降の1年間のお給料や賞与の計算のための書類、つまり来年分の扶養控除(異動)申告書を提出するのです。
書く内容は、名前、住所、所得などです。一番上にご自分の名前や住所などを書いた後は、該当するものがあれば記入します。
- A:配偶者(所得が95万円以下、お給料だけなら1年間150万円以下/戸籍上の夫もしくは妻)
- B:配偶者以外の扶養している人(16歳以上/所得が48万円以下、お給料だけなら1年間103万円以下)
- C:扶養のオプション(障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生に該当するとき)一番下:扶養しているけれども16歳未満の人
(国税庁ホームページ)
- 保険料控除申告書
生命保険や地震保険に入っている人は書きましょう。保険料控除証明書が保険会社から来ていますから、控除証明書から内容を写して、控除額を計算しておきます。控除証明書も一緒につけましょう。
今年の1月以降に入社した場合で、入社前に国民健康保険や国民年金を払っていた場合は、社会保険料控除の欄に金額を書きます。国民年金は控除証明書が来ていますから、金額を写し、控除証明書も一緒につけましょう。家族分も一緒に申告できます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入して掛金を払っている人は、小規模共催等掛金控除の欄に金額を書きます。控除証明書が来ていますから、金額を写し、控除証明書も一緒につけましょう。こちらは、あなたのものしか書くことはできません。家族分は不可です。企業型確定拠出年金に加入していて、会社が掛金を払っている場合は関係ありません。あなたが支払った掛金です。
(国税庁ホームページ)
- 基礎控除申告書・給与所得者の配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書
3つのエリアに分かれます。
- 基礎控除申告書
全員記入します。扶養している人がいなくても、必ず書きましょう。12月までの収入の見込みと所得(収入から所得の計算は、裏側に計算方法が書いてあります)、お給料や賞与以外の収入があれば必ず書きましょう。基礎控除という、どんな人でも必ずある大切な控除の計算です。
下に判定欄がありますので、あてはめて基礎控除額の計算をしましょう。
- 給与所得者の配偶者控除等申告書
配偶者がいる人は必ず記入しましょう。配偶者控除もしくは配偶者特別控除は、
- 配偶者自身の所得が133万円以下(給与収入だけなら201万円以下)
- あなたの所得が1,000万円以下(給与収入だけなら1,195万円以下)
の場合に受けられます。扶養控除(異動)申告書には所得オーバーで書けない人でも、こちらに書くことで配偶者特別控除が受けられる場合がありますよ。
- 所得金額調整控除申告書
給与と賞与の1年間の収入が850万円超であり、あなたか、配偶者、もしくは扶養している人が障害者に該当したり、23歳未満の扶養している人がいる場合に控除が受けられます。該当するようなら書きましょう。
(国税庁ホームページ)
- 住宅借入金等特別控除申告書
住宅ローンを使ってマイホームを購入、リフォームをしたときに受けられる控除です。対象になる人は手元に申告書がありますので、申告書に記入して、金融機関からのローン残高証明書をつけましょう。
扶養控除申告書、基礎控除申告書以外は、書く内容があれば提出する書類です。年に1回のことですので、忘れてしまっていることが多いかもしれません。ですが、あなたの税金を計算するために大切な書類ですので、あわてなくてもいいので、記入もれや提出もれがないようにしましょうね。
次回は、年末調整、こんなときどうする?です。
今日のポイント
- 提出する書類は、扶養控除(異動)申告書、基礎控除申告書は必須、その他は対象になれば記入します
- 書き忘れや提出もれがないようにしましょう