前回は、健康保険の任意継続についてお伝えしました。
任意継続は最大2年間続けられますが、
- 再就職して会社で新たに健康保険に入ったり
- 家族の扶養になったり
したは2年を待たずに終了します。2022年1月からは、任意継続を続けることを希望しない場合に自主的にやめることができるようになりました。
やめる基準やメリットは何でしょうか?
まず、会社を退職するときに任意継続を選んだ理由のほとんどは、国民健康保険よりも保険料が安いから、だったのではないでしょうか。
保険料の安さ
会社のお給料から引かれている健康保険料×2×12ヶ月<国民健康保険の年間保険料
であれば、任意継続を選ぶ、これは当然でしょう。
では、国民健康保険と任意継続の健康保険の保険料はどう計算されているのでしょうか?
保険料の計算方法
- 任意継続の保険料は、会社のお給料から引かれていた健康保険料の約2倍です。
- 国民健康保険の保険料は、退職した年の前の年の収入で年間ベースで計算されます。国民健会社を辞めたときなどに保険料が安くなる減免がある場合があります。
退職時点では、前の年には収入がありますので、国民健康保険の保険料の方が高いことが多くなるわけですね。
では、国民健康保険と任意継続の健康保険はどう払っていくのでしょうか?
保険料の支払方法
- 国民健康保険は、1月~12月の収入を元に計算され、翌年の4月~3月にかけて1年間支払います。年間の金額が決まって、1年間かけて払う方法は、住民税と同じです。
- 任意継続は、退職時のお給料から引かれていた保険料×約2倍が1ヶ月の金額です。保険料率は3月に見直されますので、4月に支払う金額から多少変わることはありますが、大きくは変わりません。
では、任意継続をやめるタイミングとは?
例えば2021年12月に退職した場合です。
- 国民健康保険は2021年1月~12月のお給料で計算されますので、退職当時は任意継続の方が安い可能性が大きいので任意継続を選びます。
- 1年求職活動を行ってまだ就職しておらず、2022年1月~12月に失業手当しか収入がなかったとしましょう。失業手当は、国民健康保険の計算上収入にはなりませんので、収入は0円です。ここで国民健康保険と任意継続の保険料を比べてみましょう。任意継続は変わりませんのが、国民健康保険はかなり変わるはずです。どちらが安いでしょう?おそらく国民健康保険でしょう。
1年間は任意継続を続け、1年を超えた時点でまだ再就職していなければ国民健康保険に切り替える
という大まかなスケジュールができます。
国民健康保険の保険料の方が任意継続の保険料よりが安ければ、任意継続を終了し、国民健康保険に加入する手続をします。任意継続が終了するタイミングは、申し出た月の末日です。1月に継続終了を申し出たなら1月31日ですね。健康保険証を返すのを忘れずに。
- 国民健康保険に加入するメリットは、前年の収入が少なければ、保険料が任意継続よりも安くなる可能性が高いということです。もしあなたに扶養する家族がいる場合には、任意継続は2倍の保険料で全員入れますが、国民健康保険は入る人数が多いと高くなります。家族状況によってどちらが安いか確認しましょう。
- 任意継続を続けるメリットは、例えば健康保険組合の場合、会社員であったときに使えた福利厚生制度がそのまま使える可能性があるということです。
健康保険は、もらえる給付と、支払う保険料をきちんと確認して、あなたにぴったりあった方法で加入しましょう。
今日のポイント
- 国民健康保険は、昨年1年間の収入で計算される
- 任意継続から国民健康保険に切り替えるタイミングは重要