健康保険は、誰でも入っている医療保険です。会社で健康保険に入っているのであれば、会社とあなたが半分ずつ保険料を支払い、傷病手当金などの給付ももらうことができます。傷病手当金はこちらのコラムで書いています。
健康保険の任意継続とは、会社で社会保険に加入している人が、退職するときに選ぶ健康保険の一つです。 会社で社会保険に加入している人が退職するときには、次の3つの中から健康保険を選ぶことができます。
- 会社で加入している健康保険に任意継続で加入する
- 国民健康保険に加入する
- 会社員の家族の扶養として健康保険に加入する
退職後の健康保険を選ぶポイントは、
- その健康保険に入っているともらえる給付
- 健康保険料の安さ
です。
会社で加入している健康保険に任意継続で加入する場合と、会社で健康保険に加入していた場合の違いはなんでしょうか?今回は、全国健康保険協会(協会けんぽ)の例をお伝えします。健康保険組合は、健康保険組合ごとにちがいますので、健康保険組合で確認しましょう。
- 傷病手当金・出産手当金の扱いに注意
退職時に、すでに傷病手当金や出産手当金の受け取る権利がある場合は、退職後も続けて受け取れます。ただし、働けない、お給料がない(少ない)などの要件はそのままですから、働ける場合は受け取れません。傷病手当金は失業手当を申請するともらえる権利が消滅してしまいます。前回のコラムでも書いています。
国民健康保険には、傷病手当金と出産手当金はありません。会社員で国民健康保険に入っている人は、新型コロナウイルス感染症で会社を休んだ場合に最大1年6ヶ月まで傷病手当金をもらえる特例が2022年3月までありますが、会社を退職して国民健康保険に入った人は対象外です。
- 健康保険料は約2倍
会社で健康保険に加入していた場合は、保険料の半分は会社が払ってくれていました。退職後は自分で保険料をすべて払うことになります。約2倍というのは、任意継続の保険料は上限があるので、2倍よりも少ない場合があるからですね。
全国健康保険協会ホームページより
・加入できる条件
- 退職までに2ヶ月以上会社で健康保険に加入している
- 退職後20日以内に手続する
退職後20日以内に手続する、とは、正確には退職日の翌日から20日以内に申出書が全国健康保険協会の支部に到着しているということです。全国健康保険協会の支部は都道府県ごとにあり、あなたが住んでいる都道府県の支部に提出します。会社がある都道府県の支部ではないので注意しましょうね。
全国健康保険協会ホームページより
- 加入期間と加入終了
任意継続が継続できるのは最大2年間です。2年が経つ前に任意継続が終了するのは、このようなときです。
- 就職して会社の健康保険に加入したとき
- 保険料を期限までに払わなかったとき
- 後期高齢者医療制度に加入したとき(75歳)
- 死亡したとき
- 任意継続をやめることを希望するとき
このうち、任意継続をやめることを希望するとき、が1月から追加されました。任意継続をやめることを希望するときは、資格喪失申出書を全国健康保険協会の支部に提出すれば、その月の末日で任意継続が終了します。
全国健康保険協会ホームページより
今までは、任意で加入はできても、任意でやめることはできませんでした。もしやめようと思ったら、保険料を期限まで払わずに、強制終了する方法がありました。ちなみに私はこの方法で国民健康保険に切り替えました。
ん?なぜ、任意継続を2年待たずに国民健康保険に切り替えるんですか?
いい質問ですね、次はその疑問と、任意継続に加入するポイントについてお伝えしましょう。
今日のポイント
- 健康保険の任意継続が任意でやめることができるようになった
- 申し出た場合は翌月から別の健康保険に切り替えができる