新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、仕事が少なくなったり、仕事自体がなくなったり、会社自体が閉じてしまったりして、仕事を辞めざるをえない人もいます。
再就職先を探すのもいいけど、今までのスキルを活かして独立し、フリーランスになろうか?そう考えてはいませんか?また、会社から、今後は業務委託という形で仕事をしてくれないか?と言われたりしていませんか?業務委託ということはフリーランスで働くということです。
あなたが、会社員とフリーランス、どちらを選ぶか迷ったときに読んでみてください。前々回は、フリーランスになって得るもの、失うもの。前回は、フリーランスになる前に準備しておくもの、でした。
今回は、フリーランスになることによる将来への影響です。厚生年金から国民年金に切り替えることで、将来の年金に影響が出てきます。
国民年金の保険料は2020年3月までは16,540円、2021年4月から2022年3月までは16,610円です。厚生年金保険料は、会社でのお給料が上がれば金額が上がりますが、国民年金の保険料は収入があってもなくても同じ金額です。会社で厚生年金に加入すると、同時に国民年金にも加入します。
では、支払う保険料の金額と将来の年金額を比べてみましょう。
あなたが30歳だとして、これから30年、厚生年金に加入し続けるか、国民年金を払うのかで変わる金額を比べます。
- 厚生年金に加入した場合
毎月25万円の支給額で計算します。(賞与は計算に入れません)
- 支払う保険料 250,000×12ヶ月×(18.3%×1/2)×30年=8,235,000円
- もらえる厚生年金(これから増える金額)250,000×12ヶ月×0.55%×30年=495,000円
- もらえる基礎年金(これから増える金額)780,900円×30年÷40年=585,675円
- もらえる年金額合計=495,000円+585,675円=1,080,675円/年
85歳まで生きると仮定し、65歳から20年間年金をもらうとしたら、
8,235,000円の保険料支払い→もらえる年金1,080,675円×20年=21,613,500円(2.62倍)
- 国民年金に加入した場合
- 支払う保険料 16,610×12ヶ月×30年=5,979,600円
- もらえる基礎年金(これから増える金額)780,900円×30年÷40年=585,675円/年
85歳まで生きると仮定し、65歳から20年間年金をもらうとしたら、
5,979,600円の保険料支払い→もらえる年金585,675円×20年=11,713,500円(1.95倍)
同じ年数の年金を受け取るなら、厚生年金の方がコストパフォーマンスがよくなりますね。もっとも、年金は保険ですから、コストパフォーマンスやらお得やらの点から見るのは間違いですが、フリーランスになって厚生年金から国民年金に切り替えるのであれば、これだけ将来に影響があるということは見えてきたのではないでしょうか。
そうそう、国民年金の保険料には、収入が少ないなどの条件に合えば、免除制度を使って保険料の支払いを10年間待ってもらえることもできます。払わなくていいのなら、と免除を選んでしまうこともあるかもしれません、ですが、もし免除されたままで国民年金を支払わないと、
もらえる年金は585,675円の半分、292,837円。
確かに支払う保険料は0円ですが、年間約30万円、月だと25,000円の収入です。これだけでは生活の中心にするには少なすぎませんか?
フリーランスになるということは、仕事上での自由を手に入れると同時に、会社員であれば受け取れるはずだった制度上のメリットは少なくなります。その分、自分で自分の将来も考えていく必要がありますフリーランスの道を選ぶ時は、慎重に考えて準備をしましょう。
今日のポイント
- 厚生年金から国民年金に切り替えると将来の年金額は少なくなる
- 国民年金の保険料は収入にかかわらず同じ金額