新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、仕事が少なくなったり、仕事自体がなくなったり、会社自体が閉じてしまったりして、仕事を辞めざるをえない人もいます。
再就職先を探すのもいいけど、今までのスキルを活かして独立し、フリーランスになろうか?そう考えてはいませんか?また、会社から、今後は業務委託という形で仕事をしてくれないか?と言われたりしていませんか?業務委託ということはフリーランスで働くということです。
あなたが、会社員とフリーランス、どちらを選ぶか迷ったときに読んでみてください。前回は、フリーランスになって得るもの、失うものでした。
今回は、フリーランスになる前に準備しておくことです。会社員からフリーランスになって失うものについて、準備をしておきましょう。
- 産前産後や出産、介護のときの休暇・・・フリーランスになっても休むことはできます。むしろ、自分で休む期間を決めることができるので、楽かもしれませんね。
- 退職金・・・個人事業主のための中退共(中小企業退職金共済)の制度があります。会社で準備してくれたものを、フリーランスになれば自分で準備していかなければなりません。個人型確定拠出年金や国民年金基金という制度もあります。
- 残業代・・・時間によって計算されていた残業代はありません。働く時間が多くなれば収入も多い、ということはありませんので、働き方も考えていきましょう
“休暇は取らない、退職金はそもそも会社に制度がないし、残業はしないから″。それなら、あまり失うものは大きくないかもしれませんね。制度が整っている会社にいるあなたは、会社の制度に守られなくなります。より入念な準備が必要でしょう。
- 労災・・・仕事上でケガをしたときにも労災の制度はありませんので、健康保険を使います。労災なら治療費も無料ですが、健康保険なら治療費がかかります。ただ、2021年4月より、フリーランスでも労災に特別加入できることになるようです。フリーランスになるのが4月以降であれば、準備するお金も変わってくるかもしれませんね。
- 失業手当・・・もしフリーランスの仕事を辞めて再就職を目指す、というときでも雇用保険には入っていませんので、失業手当はありません。フリーランスの仕事を辞めた後のお金も、自分で準備しておきましょう。
- 傷病手当金・出産手当金・・・ケガや病気で仕事を休む、出産して仕事ができない、そんなときでもお金は受け取れません。所得補償保険などに自分で加入して、収入がなくなったときに備えましょう。
- 厚生年金(老後・障害・遺族)・・・個人事業主ならば、厚生年金に入らず、国民年金を払っていくことになりますから、国民年金のお金(2020年度は16,540円/月)も自分で払って、将来に備えます。厚生年金は会社が半分払ってくれていますから、出ていくお金も大きくなることが予想されます。払わないと、いざというときの保障がありませんから、払うのがむずかしいときには免除制度を使いましょう。ただし、免除制度を使った場合は、後で支払わない場合は年金が減ります。
- 年末調整・・・個人事業主なら、所得税の確定申告は必須です。自分で税金の計算をして、税金を支払います。
こうして見ると、収入がなくなったときのお金の保障がない、というのが一番大きいですね。そのために所得補償保険や貯蓄をしておくことによって、万一のときに備えます。会社がやってくれていた手続を自分でしないといけないということもおぼえておきましょう。 また、厚生年金から国民年金に切り替えることで、将来に影響が出てきます。これは次回にお伝えします。
今日のポイント
- 会社員からフリーランスになるためにはお金の準備が必要
- 手続きはすべて自分でする