資産運用のポイントは次の3つ、と以前のコラムでお伝えしました。
- 資産運用する目的をはっきりさせる
- 運用期間、目標利回りや投資のルールを決める
- NISAやつみたてNISA、確定拠出年金などの制度を活用する
資産運用する目的がはっきりしたら次のステップ、運用期間、目標利回りや投資のルールを決める、へ進みます。
初めて資格取得の勉強をするときにおきかえてみます。
- 運用期間→資格取得の勉強をいつやめる?
- 目標利回り→資格取得の勉強にトータルでいくらかける?
- 投資のルール→資格取得の勉強方法は?
この中で、一番大切なのは、いつやめる?です。
ん?勉強方法から決めるんじゃないの?と思われたかもしれませんね。
もちろんそれも大切です。でも、それより大切なものは、いつまで勉強するのか?です。
もちろん資格取得するまで!そう、もちろんそれは大切なモチベーションです。でもねえ・・・勉強をしている間は、お金は出ていくばかりでしょう?
学校へ行って勉強する、かけるお金は100万円、と先に決めてしまったら、もし受けたい授業があったらどうします?欲しいテキスト本があったら?あきらめます?いや、やっぱり必要だから授業は受ける!テキストは買う!
なしくずしにかけるお金が多くなってしまうかもしれませんね。仕事がいそがしくて学校へ行けなくなり、勉強方法を考えたら、思ったより勉強が進まない、ということもあります。
資格取得の勉強をいつやめる?いつまで続ける?を先に決めましょう。
さて、これを資産運用におきかえてみましょうか。
資産運用とは、あなたの今持っているお金を将来に向かって動かし、そして将来にそのお金を受け取るものです。その将来とは、いつですか?
資格取得のいつやめる?が、資産運用のいつまで運用する?です。ずっと資産運用を続けていくわけじゃありませんよね?いずれ使うつもりで資産運用をしていくんですよね?
資産運用の目的は様々ですが、私のご相談で一番多い資産運用の目的は“老後資金”です。老後資金として考えてみましょう。
「容子先生、資産運用の目的、考えてきました」
「おっ、考えてきましたか!ではあなたの資産運用の目的はずばり?」
「老後資金です」
「老後資金ですね。では質問です。老後資金とは何ですか?」
「えっ?えっと、老後に使うためのお金です」
「老後とは?いつ?」
「えーと・・・・うちの会社は60歳でいったん定年になりますから、60歳から使うお金です」
「60歳からですね。60歳からいつまで?」
「いつまで?ええー、一生・・・」
「一生とはいつまででしょう?」
「容子先生、そんなのわかんないですよー、無理言わないでください」
「ふふ、じゃあ、人生100年時代だから100歳までにしますか?」
「じゃ、じゃあ、100歳まで」
「60歳から100歳まで40年間に使うお金のために資産運用する、と、目標が定まりましたね」
「はい、なんだかとっても長い期間ですね」
「40年間のお金のためですね、では次は・・・」
「いつまで資産運用するか、でしたっけ」
「さすが、そうですね!いつまで運用し続けますか?例えば60歳まで運用するとか?」
「60歳まで、そうですね、収入が60歳までになりますからそうします」
「今から60歳までなら何年になりますか・・・・と、25年ですね」
「今35歳だから、25年ですね」
「では、次のステップです。
- 60歳から100歳までの40年間に必要な金額は40年間のトータルでいくらか?
- 今から25年で資産運用するのなら、今、資産運用に使えるお金はいくらか?(毎月ベース、毎年ベースどちらでもOKです)
この2つの金額を出してみましょう」
「はい・・・あの、容子先生」
「はい?何でしょう?」
「それは何のために?」
「もちろん、“目標の運用利回りを見込んで資産運用の方法を考えるため”ですよ」
「えっ?容子先生、資産運用の方法から考えるんじゃないんですね?」
「はい、資産運用の方法からではなく、必要なお金を受け取るために、今、必要なお金はいくらか?これをまず考えましょう」
「両方とも、持ち帰って計算してきてもいいですか?」
「もちろん、次楽しみにしてますね」
「はーい、容子先生、がんばりまーす」
「すごい棒読み・・・」
- 何のための運用
- 必要なお金はいくらか
今まであまり考えたことがないことですよね?うーん、面倒だなあ、そう思われたかもしれませんね。でもこの面倒なことを乗り越えると、後がとてもラクなんですよ。ここを手抜きしてしまうと、“ダイビングに来たのに、荷物開けたらスキー板入ってた”なんてことになってしまうかも。
一番効率的な資産運用は?一番増える資産運用は?と考えてしまいがちですが、
何のために、いつまで運用するのか?
これをまず考えてから資産運用の方法を考えていきましょう。
次回は、運用利回りと投資のルールをお伝えしますね。