- 将来が心配なので備えたい、何を使って備えたらいいですか?
- 貯金はしているんですが、投資もしようと思っているんですが、何をしたらいいかよくわかりません。
将来は気になりますよね。特に気になるのは老後ではないでしょうか。いずれは会社員でいられなくなり、収入も年金だけ、でも年金だけでは暮らしていけないでしょう?という不安があるんですね。老後2,000万円足りない問題が2019年に話題となりました。2,000万円も貯めないといけないの?年金制度はよくないんだ!などと色んな意見がありました。 でもね、年金は”防貧”であり、”豊かな生活をするためのもの”ではありません。あくまでも最後のセーフティネットとして存在しているのが年金なので、年金で今まで通りの暮らしができないのを嘆く必要はありません。
とはいえ、生活を変えるのは難しいものです。生活はそのままで、老後も過ごしていきたいものですよね。では、やはり年金だけではなく、他にも準備しておく方が安心でしょう。ですが、いくらいるの?と言われて、○○円です!という答えは出ません。
- 年金がいくらあるのか?
- 生活費にいくらかかるのか?
- いつまで働くのか?
将来設計によって答えは様々だからです。では、きっちり計算してから貯めていくのか?きっちり計算するのは面倒なものです。そして面倒なことは後回しにするもの。いつまでも答えは出ないでしょう。
では私から、どのくらい必要なのか、ざっくりとした計算方法をお伝えいたしましょう。老後のお金をいくら準備しておく必要があるのでしょうか?3つ質問をしますので、答えてみてください。イメージでもかまいません。
質問その1
老後の期間は、何年ですか?
- 老後の期間とは、働かなくなってから死ぬまでです。寿命はわかりませんので、90歳までとしておきましょう。あなたはいつまで働く予定ですか?
65歳まで働くなら、65歳から90歳までの25年が老後の期間です。
質問その2
老後の期間の総支出はいくらですか?
- 今の家計がわかっていれば、1ヶ月の支出×12ヶ月×老後の期間です。支出をはっきり把握してないからわからない?では、今の収入内で生活しています?毎月銀行口座に入るお給料×12=支出としましょう。
毎月銀行口座に入るお給料が16万円なら、16万円×12ヶ月×25年=4,800万円
質問その3
老後の期間の総収入はいくらですか?
- 会社の退職金はありますか?→会社で試算
- 会社で企業型確定拠出年金はありますか?→今までの積立額+これからの積立金額×65歳まで
- 会社で確定給付年金やその他の退職金制度に入っていますか?→会社で試算
会社の制度はあなどれません。この機会に試算しておきましょう。
- 自分の年金
あなたが50歳未満であれば、まだ年金の見込みはねんきん定期便ではわかりません。
- 老齢厚生年金→源泉徴収票を使ってざっくり計算してみましょう。源泉徴収票の収入金額×0.0055×(60歳-働き出した年+1歳)※60歳以降の厚生年金保険は考慮に入れていません。
- 老齢基礎年金は1年間約78万円。1年間の合計×老後の期間
会社の制度が何もなく、大卒で働き出して、源泉徴収票の金額が250万円だった場合、
- 老齢厚生年金=250万円×0.0055×(60歳-23歳+1歳)=約52万円
- 老齢基礎年金=約78万円
- 老齢厚生年金52万円+老齢基礎年金78万円=130万円 130万円×25年=3,250万円
収入3,250万円-支出4,800万円=1,550万円の赤字ですから、準備する金額は1,550万円をめどにすればいいということになります。 1,550万円をあと何年で準備が必要ですか?
今35歳なら、あと30年。1,550万円を30年なら、年間約51万円。月にするなら約4万円。ボーナスを使って貯めるということもできますね。
まずは、準備すべき金額を知りましょう。2,000万円必要かもしれないし、必要でないかもしれない。そして、準備は早めにしましょう。5年たてば、1年間51万円の準備が1年間62万円準備になりますよ。
このコラムを受けて、毎週月曜日に更新している制度の使いこなし方で、準備についてお伝えします。
来週から1ヶ月間、将来への準備について制度をどのように使うかを特集していきます。どのような制度を使うか、参考にしてみてくださいね。