初めてお金を手にした日、おぼえていますか?
それをどうしたかおぼえていますか?お財布に入れた?貯金箱にしまった?握りしめてお菓子を買いに行った?色んな思い出がありますね。
私の経験をお話ししますね。
お金との最初の出会いは、小学校に上がった日。母親から10円玉を、1枚渡されました。
おこづかいは1日10円。毎日毎日渡される茶色の硬貨。お金を渡してものを買うことは知っていても、なんだか使えずに、雑誌の付録の財布にしまいこんでいました。
すると母が、「財布パンパンじゃない、使わないの?」と。
「なんだか使えない」という私に、苦笑した母が差し出したのはお菓子の缶。
「じゃ、これに入れておいて、使いたくなったら財布に入れて持って行きなさい」
それが私にとっての初めての “貯金箱” 。
お金を貯めることが楽しいのではなく、どうやって扱ったらいいかよくわからなかったのです。
でも、欲しいものを買いにいくときにお菓子の缶を開けてお金を取り出す時の、あのほんわりした温かい気持ちはおぼえています。
子どものときの “おこづかい” は、大人になったら、“給料” に名前が変わりますよね。
お手伝いをしたらもらうおこづかいから、毎日働いてもらう給料。お金が手元に入ってくることには変わりがないんですよね。お金をどうやって扱ったらいいかよくわからないのも同じでした。
“貯金箱” が ”銀行” に変わっただけ。必要になったら口座から出して使う、そんな毎日。お金を使うことに何の感情もわかない、そんな日々。
お金を使うことって、こんなにつまらないことだった?もっと、温かい気持ちになるものじゃなかった?
そう思っていたとき、こんな会話が聞こえてきました。
「お金って不思議よねえ、来るときは一人でしか来ないのに、出ていくときは友達を連れて出ていく」
「それは、あなたがお金と友達になってないからでしょ。ちゃんとお金とつきあってあげないと、寂しがって出ていくのよ。お金はさみしがりやだから」
お金と友達?つきあってあげる?お金はさみしがりや?
そのとき、気づいたんですよ。あの温かい気持ちは、“ちゃんとお金とつきあっていたから” 感じたものだったんです。
“ちゃんとお金とつきあう” こと、それは、お金を “大切に扱うこと” 。
お金を大切な友達と思ったら、笑顔を向けて大事に扱いますよね?
お金は、あなたの生活になくてはならないもの。大切なものなのに、大事に扱わない。それって、とても悲しいことだと思いませんか?
私は、そう思ったから、今はこう言っています。
“お金は大切なともだち” と。