【制度の使いこなし方】国民年金の免除申請をしないとどんな影響がある?~その1 老後の年金を増やす~

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お給料から引かれている厚生年金保険は、日本に住む人が全員加入している年金制度の一つです。年金制度には2種類の年金があります。

  • 厚生年金保険
  • 国民年金

です。年金といえば、老後の年金のために今払っているイメージが強いと思いますが、老後の年金のためだけではない、ということは以前のコラムで書きました。このコラムの中で、厚生年金保険は払わないという選択肢はないと書きましたが、国民年金は払わないという選択肢もあります。それは国民年金という名前が物語っています。

“厚生年金保険”ですが、”国民年金保険″ではありません。保険とは、お金を出し合って、お金を出し合ったグループ内だけで助け合う制度です。”国民年金保険”ではないということは、国民年金は払わずに加入し続けるという選択肢があるのです。免除制度といいます。免除制度は、3種類あります。

  • 免除/納付猶予
  • 学生納付特例
  • 産前産後免除

免除/納付猶予

5種類あります。国民年金に加入している60歳未満なら誰でも使えます。追納(後払い)しなければ、老後の年金に影響が出ます。

  • 全額免除
  • 4分の3免除
  • 半額免除
  • 4分の1免除
  • 納付猶予(50歳未満)

国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

(日本年金機構ホームページより)

学生納付特例

大学などの学生だけが使えます。学生納付特例は、免除/納付猶予よりも優先されます。追納(後払い)しなければ、老後の年金に影響が出ます。

国民年金保険料の学生納付特例制度

(日本年金機構ホームページより)

産前産後免除

産前産後に使えます。産前産後免除は、免除/猶予制度や学生納付制度よりも優先されます。産前産後の期間中の国民年金の保険料を払っていなくても老後の年金に影響はありません

国民年金保険料の産前産後期間の免除制度

(日本年金機構ホームページより)

どの免除制度も、国民年金を支払わないまま(未納といいます)にしておくよりもメリットがあります。条件が合って承認されるのであれば、払えないからと放っておくのではなく、必ず申請手続をしておきましょう。

国民年金の免除申請をするメリットは2つです。

  • 老後の年金を未納のままにするよりも増やす効果がある
  • 年金の納付要件を満たす効果がある

今回は一つ目、老後の年金を未納のままにするよりも増やす効果があるについて説明しましょう。

例えば、免除/納付猶予制度を使って免除申請をした結果、全額免除の承認を受けたとします。全額免除の承認を受けて、1年間全額免除を受けるとどのような効果があるでしょうか

  • 国民年金の保険料を支払った場合は保険料の金額は199,320円、老後の年金の増加は19,440円。
  • 全額免除の承認を受けた場合は保険料の金額は0円、老後の年金の増加は9,720円。払った場合の半分となります。

他の免除制度でもみていきましょう。

  • 4分の3免除→保険料の金額49,800円、老後の年金の増加12,120円
  • 半額免除→保険料の金額99,600円、老後の年金の増加14,520円
  • 4分の1免除→保険料の金額149,400円、老後の年金の増加16,920円
  • 納付猶予→保険料の金額0円、老後の年金の増加0円
  • 学生納付猶予特例→保険料の金額0円、老後の年金の増加0円
  • 産前産後免除→保険料の金額0円、老後の年金の増加19,440円

※いずれも、2021年度の金額で、10円未満切り捨て、概算で計算しています。

なぜ、免除申請をして承認されていると、老後の年金は増加するのでしょうか?それは、国民年金の保険料を支払って老後に受け取る年金、老齢基礎年金は、半分が税金、半分が支払った国民年金でできているからです。

ちなみに、免除/納付猶予制度の申請をすると、納付猶予→全額免除→4分の3免除→半額免除→4分の1免除の順で判定され、最初に引っかかったところで承認されます。

4分の3免除の対象であれば全額免除は承認されませんが、もし半額免除を希望するのであれば半額免除を希望することを申請のときに申請書に書いておけば、半額免除→4分の1免除の順で判定され、最初に引っかかったところで承認されます。

納付猶予と学生納付特例は、保険料が0円なら年金の増加も0円ですが、追納(後払い)で保険料を払えば年金も増えます。

未納のままにしておくことは、老後の年金を減らすことにつながりますし、次回でお伝えする年金の納付要件にも響きます。 国民年金を支払うのがむずかしければ、免除制度を利用することも考えてみましょう。

今日のポイント

  • 国民年金は保険料を支払わずに加入し続けることができる
  • 免除制度を利用することで将来の年金を少しでも増やすことができる

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