年金はお金の積立じゃない、と以前のコラムで書きました。
でも、お給料からは厚生年金保険料を支払っていますよね。仕事をしていない期間には、国民年金を払っています。
支払っている年金の金額や加入している年金の種類(厚生年金か国民年金か)の記録は、将来受け取る年金の計算の元になるのです。
今までに、支払っている年金の金額や年金の種類はどこで確認できるのでしょうか?
支払っている年金の金額や年金の種類は、“ねんきん定期便”“ねんきんネット”で確認できます。
ねんきん定期便は、一年に一度、誕生月に必ず送られてくるハガキ(年によっては封書)です。
ねんきん定期便が来た、と言うご相談がありました。
「ねんきん定期便が来たんですけど、開けていいんでしょうか?」
「もちろん開けてください。圧着ハガキですからゆっくりと開いてくださいね。あなたの大切な記録が載ってますから、破れると困ります」
「開けました。えっと・・・最近の月別状況?」
「これは、あなたの 過去1年間の納付記録が書かれています。厚生年金ならお給料から引かれているので必ず払っていますが、国民年金ならもしかしたら払いもれがあったりするかもしれませんね。過去1年間にお勤めをしてなかった月はありますか?」
「1ヶ月あります、あれ?未納になってる」
「1ヶ月だと退職から次の就職まであっという間ですから、払い忘れてしまうことは多いんですよ」
「確か納付書が来てたかもしれません。あの納付書はこの1ヶ月分だったんですね」
「お勤めをしてなかった月の分を払っておけばいいですよ」
「はい、わかりました。あっ、裏もあるんですね。これまでの保険料納付額?」
「これまで払った年金保険料の合計が書かれています」
「けっこう大きい金額なんですね・・・」
「ですよね。今までそれだけ払ってきています」
「次は、 これまでの年金加入期間。これは、今までの加入記録ですか?」
「そうです。 年金の種類と、それぞれ加入した月数が書かれています」
「あれ?さっきの国民年金を払っていない月が書かれてませんよ?」
「国民年金の未納はここには書かれていないんです。将来もらう年金の計算のための記録なので、反映されない未納分はのぞかれてしまうんですね」
「じゃあ、払えば、来年のねんきん定期便には載りますか?」
「載りますね」
「あとは・・・ これまでの加入実績に応じた年金額?これが将来もらえる金額ですか?」
「その年金額は、加入記録から計算した金額ですが、将来もらえる金額ではありません。50歳未満の場合は、もらえる年齢、つまり65歳までまだまだ年数があるので、年金の目安がつけられないんですね。ですから、ここは50歳になるまで見なくても大丈夫です」
50歳未満の方に送られるねんきん定期便↓
https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/20190405.files/31-01.pdf
出典:日本年金機構
ねんきん定期便は、自分の年金は自分で確認してね、というメッセージです。1年に一度、誕生月に送られてきますので、知らなかった!ということは通りません。届いていない場合は、日本年金機構に記録されている住所がまちがっている場合があるので年金事務所に問い合わせましょう。
「お客様のアクセスキー、というのは何ですか?」
「これはねんきんネットへのアクセスキーです。基礎年金番号とアクセスキーを使えばねんきんネットへ簡単に登録できますよ」
「ねんきんネットって何ですか?」
「 ねんきんネットは、インターネットでねんきん定期便の内容を確認できるサイトです」
「サイトで見られれば楽ですね」
「ねんきん定期便は年1回ですが、ねんきんネットはいつでも好きなときに見ることができますね」
「ねんきん定期便がネットで見られるだけですか?」
「いいえ、例えば、先ほど、見なくてもいい、と言った将来の年金額ですが、将来もらえる年金を知りたい!という場合は、ねんきんネットで試算できるんです」
出典:日本年金機構
今日のポイント
- 毎年、誕生月に送られてくる“ねんきん定期便”は必ず見ましょう。自分の記録、知らないではすまされませんよ!
- ねんきんネットとの併用で、自分の将来のプランを立てられます。