夏季休暇やお盆休みが終了し、今日からいつも通りの勤務でしょうか?それともまだ休暇中でしょうか?
私はお盆中も仕事でしたので、今週お休みをいただく予定です。
ところで、あなたの会社では、夏季休暇やお盆休みは会社の特別休暇ですか?それとも有給休暇の消化でしょうか?
よくわからないけど、休みだからいい?ま、それもそうですね。
今年(2019年)4月に有給休暇の年5日取得義務化というものが開始されたためか、有給休暇についてのご相談を受けることが多くなりました。そこで、ご相談のときに、ちょっとしたアンケートを取ってみました。
- Q1 有給休暇を知っていますか?
ほとんどの人は知ってると答えましたが、1人だけ「知りません、何ですか?」と答えた人がいました。知らない人の方がめずらしいということですね。
- Q2 有給休暇を使ったことはありますか?
3分の2の人は「使ったことがあります」と答えました。さらに「持っている有給休暇のすべてを使ったことはありますか?」と聞くと、すべては使ったことはない、と3分の2の人のうち、全員が答えています。
知っていても使ったことはあまりない、それが有給休暇。
「容子先生、有給休暇って、給与明細に書いてあるこの日数のことですよね?」
「給与明細の『有給休暇残日数』。そうですね、この日数が今使える日数ですね」
「で、容子先生、有給休暇って、そもそも何ですか?」
「それはですね」
有給休暇とは、
会社員であれば、すべての方が持っている特別な休暇です。働く日数や時間が短い人はつかない場合もありますが、ほとんどの人は持っています。
ただし、持つためには条件があります。
- 入社してから6ヶ月以上経っていること
- 働くべき日数のうち、8割以上出勤していること
- 1年間で48日以上働く予定であること(1週間1日以上働いていたらOKです)
「一定の日数、6ヶ月間、きちんと出勤して働いたら、6ヶ月目以降は特別休暇をつけてあげるよ、ということですね」
「容子先生、どうして特別な休暇なんですか?会社の特別休暇とはちがうんですか?」
「おっ、いい質問ですね!会社の特別休暇とはちがいます。会社の特別休暇は、その会社でしか使えませんよね?有休休暇は、働いている人すべてが持っている権利で、特別な休暇、という理由は、
労働の基本はノーワークノーペイなのに、その基本からはずれるから
です」
「はい?容子先生、どういうことでしょう?」
「有給休暇を使うと、働かないのにお給料はもらえますよね?給料が少なくなったりしませんよね?」
「あ、確かに。休んでるけどお給料は少なくならないですね」 「本来なら、働かないと給料はないんです。休んだらお給料は少なくなるのが当然です。でも有給休暇を使えば、休んでいてもお給料がもらえる。だから特別な休暇、なんです」
「なるほど、そういうことですか、だから特別な休暇なんですね」
有給休暇の使用日数は、年間で平均9日 (厚生労働省「平成 30 年就労条件総合調査の概況」より) 。
「ところで、有給休暇は1年間に何日くらい使ってますか?」
「えーと、旅行行くときとか、結婚式のときとか、お葬式のときとか?年に5~7日くらいですね。多いときは10日?かな」
「有給休暇を使っている人は、年間で平均9日だそうですよ」
「だったら私は平均ですね」
「でも、ちょっともったいないな、とも思います」
「どうしてですか?」
「これ、有給休暇が使える日数なんですけどね、
継続 勤務 年数 | 6ヶ月 | 1年 6ヶ月 | 2年 6ヶ月 | 3年 6ヶ月 | 4年 6ヶ月 | 5年 6ヶ月 | 6年 6ヶ月以上 |
付与 日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
(厚生労働省のHPより抜粋して筆者が作成)
例えば3年勤めている人は最大で23日有給休暇を持っているのに、9日だとすると半分も使っていないですよね」
「本当だ・・・でも容子先生、この日数って毎年追加されるんですよね?3年目なら33日じゃないんですか?」
「ん?毎年追加、33日って?」
「例えば、1年目は10日、2年目に11日、3年目に12日、有給休暇をもらえるんですよね?だったら、毎年追加して33日じゃないんですか?使わなかったら、の話ですけど」
「ああ、なるほど!そう思ったんですね」
「えっ、ちがうんですか?」
「ちがうんですよ。有給休暇には有効期限があって、2年なんです。3年前の分は使っても使わなくてもなくなってしまいます。
例えば、表でいうと3年目の12日が追加されると、1年目の10日は消滅するんです。だから、23日。2年有効のポイントみたいなものですね」
「ずっと使えるポイントじゃないんだ・・・」
「不滅じゃないんですよね・・・」
「じゃあ使わないと損ですよね。でも、使いづらいんですよね、理由を聞かれて」
「理由を聞かれるんですか?」
「はい、届出に理由を書くところがあって、きちんとかかないといけないんです」
「えっと、まあ、会社としては理由を把握しておきたいんでしょうけど、有給休暇を使うのに、理由はいらないんですよ」
「えっ?いらないんですか?」
「理由は問われないんです。ですから、会社は理由によっては有給休暇をとらせない、ということはできないんです」
「えー、そうなんですね、理由はいらないなんて初めて知りました」
「ただし、あなたが有給休暇を使うことによって会社が困ってしまう、ということになると、会社は有給休暇をとる日の変更をお願いすることはできますね」
「それ、一回ありました!全員出張とかで会社に誰もいなくなってしまうから、できれば他の日に、と言われたことがあります」
「変更できる日程だったんですか?」
「その日でなくても大丈夫だったので変更しました」
「それならよかったですね。もし変更できない日程なら会社と交渉するしかないですからね」
「急に決まったこと以外なら、なるべく早めに伝えるようにします」
「それがいいですね!」
有給休暇は、ほとんどの会社員が持っている特別な休暇です。
リフレッシュや体調管理など、うまく利用しましょう。
今日のポイント
- 有給休暇はほとんどすべての会社員が持っている特別な休暇です 。
- 2年間有効のポイント(日数)です。
- 有給休暇を使うのに理由は必要ありません