【制度の使いこなし方】給与明細を読もう!その3~割増賃金の計算~

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給与明細を読もう!第3回は、第2回でお伝えした割増賃金の計算です。割増賃金は、あなたが会社と契約した時間を超えて働き、その時間が、一定の時間を超えた場合に計算されて給与にプラスされるものです。

割増の率

割増の率は、一定の時間によって率が変わります。

  • 1日8時間を超える、1週間40時間を超える場合 25%増し
  • 法定休日 35%増し
  • 深夜(夜10時~朝5時) 25%増しにさらに25%増しで、50%増し
  • 法定休日の深夜 35%増しにさらに25%増しで、60%増し
  • 月60時間を超える場合 50%以上増し。(2023年4月からはすべての会社)

この率は最低ラインですので、会社によってはもっと大きい率を使っているかもしれません。就業規則で確認しましょう。

割増賃金の計算

あなたのお給料が時間給であれば、超えた時間分に、時間給×割増の率で計算できます。それでは、月給の場合はどうでしょうか?これは、月給を時間給に直して計算します。

例を出しましょう。

  • 働く時間は9:00~17:00(間に休憩1時間/1日7時間働く)
  • お休みは土日祝で、法定休日は日曜日
  • 割増賃金の計算の対象となる金額は280,000円

まず、あなたが月に働く時間を計算します。ん?でもわからないですよね?毎月計算するの?と思われますか?もちろん毎月計算することもできますが、給与計算時に時間がかかってしまいます。そこで、月平均所定労働時間(つきへいきんしょていろうどうじかん)を使って計算します。

月平均所定労働時間とは?

  • 1年間に働く日数を計算する 365(うるう年は366)-年間休日(土日祝、会社の休日)です。125日なら、365日-125日=240日
  • あなたが1年間に働く時間を計算する 240日×7時間=1,680時間
  • 1か月の平均を計算する 1,680時間÷12ヶ月=140時間

あなたの月平均所定労働時間は140時間です。

  • 月給の280,000円を140時間で割って時給を計算します。

280,000円÷140時間=2,000円

2,000円に、割増賃金の率を掛けて割増賃金を計算します。

  • 一日8時間超えの時間が1時間なら、2,000円×1時間×1.25=2,500円
  • 法定休日の日曜日に働いた時間が3時間なら、2,000円×3時間×1.35=8,100円 です。

割増賃金の計算の対象となる金額は?

基本給はもちろん対象です。手当は手当によって対象となるかどうか変わります。

計算の対象としないのは、次の7つです。

  • 家族手当(家族ごとに払われる)
  • 通勤手当(通勤距離で払われる)
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当(住宅の内容ごとに払われる)
  • 臨時に支払われる賃金
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

割増賃金の基礎となる賃金とは?

厚生労働省ホームページ

割増賃金の計算方法は、必ずこの方法というわけでなく、会社によっては違うときもあります。例えば、手当はすべて入れて計算する、という会社もあります。これは、もらう方が多くもらえるのでOKです。ただし、計算対象の手当があるのに、基本給だけを対象とするのはアウトです。

面倒だと思われますか?あなたが面倒だと思うなら、給与を計算する人もまた面倒なのです。ボタン一つで給与計算ができるわけではありません。

あなたの給与、きちんと計算されていますか?

次回は、有給休暇と欠勤についてお伝えします。休むという点では同じのこの2つ、実は給与計算ではちがいがあります。

今日のポイント

  • 割増賃金の率は働いた時間によってちがう
  • きちんと計算されているか確認しましょう

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