社会保険の年度始めは10月です。こちらのコラムに書いています。社会保険料とは、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料です。社会保険料は、お給料のたびに変わるのではなく、基本的に年に1回、9月分から変更になり、10月に支払われるお給料から引かれる社会保険料から変わります。
例外として、
- お給料が大きくアップダウンした場合
- 育休から復帰して育休前よりお給料がダウンした場合
- 新型コロナウイルス感染症の影響によりお給料が大きくダウンした場合
- 保険料の率が変わった場合
などがあります。
年に1回の変更時の社会保険料は次の流れで計算します。
- 4月、5月、6月に支払われたお給料の平均をとる。
- お給料の平均を、社会保険料の計算のもとになる標準報酬月額表にあてはめる
- 標準報酬月額表であてはまった標準報酬月額に対応する健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料の半分(表の中では折半額)をお給料から引く。
(全国健康保険協会兵庫県支部 ホームページより)
※健康保険は各都道府県によって金額がちがいます。
標準報酬月額表で標準報酬月額が今までの標準報酬月額とちがえば、10月に支払われるお給料からは引かれる社会保険料は、9月までのお給料とはちがう金額になります。
例えば、
- 今までの標準報酬月額が200,000円→健康保険料は10,240円、介護保険料は1,800円、厚生年金保険料は18,300円
- 4月と5月と6月のお給料の平均が210,000円→標準報酬月額は220,000円→健康保険料は11,264円円、介護保険料は1,980円、厚生年金保険料20,130円
※介護保険料がお給料から引かれるのは40歳から64歳までです。
このお給料とは、あなたが受け取った給与明細に書いてある支給総額です。ですが、
あれ?ちょっと多くない?支給総額の平均よりも多い?
と感じたあなた、もしかしたら、現物支給がプラスされているかもしれません。
現物支給とは、会社からお給料以外に現物でもらったものがあるときは、その現物をお金に換算してお給料にプラスすることです。
(日本年金機構ホームページより)
現物とはなんでしょうか?現物の種類は3つあります。それぞれどのようにお金に換算するのでしょうか?
- 定期券、自社製品→時価。今買えばいくらになるか?でお金に換算します。
- 食事→社員食堂で安くで食事が食べられるなど。まず3分の2判定をします。兵庫県内の勤務先であれば、昼食が250円なので、250×2/3=166円。一食あたり166円未満で食べることができているか166円以上で食べることができているか?
例えば、
- 一食100円で食べていれば、166円未満で食べることができています。このときは、250-100=150円×食べた回数をお給料にプラスします。
- 一食200円で食べていれば、166円以上で食べています。このときは、 250-200=50円はお給料にプラスしません。
もし1ヶ月に20日食べていれば、
- 一食100円なら負担額は100円×20日=2,000円ですが、150×20日=3,000円がお給料にプラスされます。
- 一食200円なら負担額は200円×20日=4,000円で、お給料にプラスはありません
- 住宅 社宅を安くで借りられているなど。
例えば30㎡の部屋を会社で借り上げ、個人で借りたら60,000円だったとします。勤務先は兵庫県です。30,000円で住んでいたとしたら?
- 30㎡÷1.65㎡(1畳に換算します)×1,580円=44,793円。この部屋は44,793円の価値があります。44,793円の価値のある部屋に3万円で住んでいるのであれば、少ない金額で住めている分の金額→44,793円-30,000円=14,793円をお給料にプラスします。
個人で借りたら6万円で住める部屋に3万円で住み、お給料には14,793円プラスされます。
現物支給の計算に使う単価は、あなたの勤務先の都道府県ごとにちがいます。
あれ、お給料明細の支給総額の平均よりも少し多いかな?と思ったときには、現物支給がプラスされていないか確認してみましょう。
今日のポイント
- 社会保険料の変更は年1回
- お金で払われるお給料に現物支給がプラスされることもある