労災保険は、正式名称を労働者災害補償保険といいます。
労働者=会社員が、仕事や通勤でのケガや病気に対応する保険です。正社員やパート、アルバイトなど働き方に関係ありません。全員が対象です。ケガや病気の治療や仕事を休んだときのお給料代わり、障害を負ったときや死亡したときなどの補償をしてくれます。労災保険は、あなたのお給料からは引かれていません。会社が保険料を全額払っています。
1回目は、会社でケガをしたら?2回目は、通勤途中でケガをしたら?でした。3回目の今回は、交通事故に巻き込まれたら?です。
例えば、あなたが仕事で会社の外に出ているときに走っている自動車に接触してケガをしたとします。
特別な状況、第三者行為災害(だいさんしゃこういさいがい)といいます。
第三者行為災害とは?
ケガの状況や原因に、あなた以外の誰か=第三者がいる状況です。
走っている自動車に接触した場合は、自動車を運転していた人がいます。あなたと、自動車を運転していた人がいますよね。
病院窓口ではどうする?
健康保険証を出さないでください。
窓口で労災で、交通事故で相手がいますと伝えましょう。
治療をしてもらったら支払いは?
健康保険を使うなら、治療費の3割を払って終わりですが、労災保険はひと手間かかります。いったん治療費の全額を負担します。その後、請求書を作って病院か労働基準監督署に出します。
この時に、注意することがあります。
まず、労働基準監督署に相談しましょう。
示談(じだん)を先に終わらせてしまわないでください。
示談の内容によっては、あなたが労災保険から補償を受けられない可能性もあります。注意しましょう。
第三者行為災害の場合は、本来なら当事者同士で損害賠償を行い、加害者が被害者に治療費などの損害賠償をします。被害者が損害賠償を受けて、さらに労災保険からも補償を受ける、ということはなく、調整されます。
調整のために、色々と提出する書類があるので、必ず労働基準監督署に最初に相談しましょう。
東京労働局ホームページより
今日のポイント
- 第三者行為災害の場合はまず労働基準監督署に相談
- 示談内容によっては労災からの補償がないこともある