【制度の使いこなし方】年末調整①~年末調整って何?~

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11月も半ばになりました。会社から、年末調整についてお知らせがそろそろ来る頃でしょうね。もしかしたらすでに届いていますか?今回から4回、年末調整についてお伝えしていきます。今回は1回目です。そもそも、年末調整って何なの?と疑問を持つ人もいるようですね。

「容子先生、これが来たんですけど・・・」

「どうしました?なんだか沈んでいますね。これとは?ああ、年末調整の書類ですか」

「毎年ゆううつなんです、なんかいっぱい書かなきゃいけないし、いっぱい書類つけなきゃいけないし、意味はよくわからないし」

「そうなんですか?」

「そうなんです。毎年よくわからないまま書いたり書類をつけたりしてるんです。容子先生、そもそも年末調整って何なんですか?」

「いい質問ですね!

年末調整とは、会社があなたの所得税と住民税の確定申告を代わりにやってくれるシステムです」

「は?」

「所得税と住民税ってわかりますか?」

「え、ええと・・・よくわかりません・・・」

「税金は、わかります?」

「税金はわかります。お給料があると払わないといけないお金ですよね」

「ま、まあ、そうですね。お給料があると払わないといけないお金の一つです。毎月のお給料から税金が引かれているのは知っていますか?」

「あ、ええと、源泉所得税、とかいうところがあります、税ってついているから、これのことですか?」

「そう、源泉所得税は、所得税のことです。あと、住民税はありませんか?」

「あっ、あります、住民税」

「そうそう、毎月のお給料から所得税と住民税が引かれてますよね」

ここでちょっと、日本の税金のシステムを。

お金が手に入ることが起こったときには、必ず税金がかかるのが日本の税金のシステムです。正確にはお金が手に入ったときだけに限定しませんが、ここではあなたにお金が入ったとき、としましょう。

例えばあなたが誰かにこれ、あげる、と言われてお金が手に入ったときには、贈与税。

例えば誰かが亡くなって、その人のお金があなたの手に入ったときには、相続税。

例えばあなたが何かを売ってお金が手に入ったときには、法人税か所得税、そして住民税。

例えばあなたが仕事をしてお給料が手に入ったときには、所得税と住民税。

「容子先生、私はお給料をもらっていますから、所得税と住民税がかかるんですね」

「そうなんです、そして、所得税は、自動的には計算されません。 自分でお給料とお給料から計算した所得税の金額を申し出て、その金額を支払います」

「住民税は?」

「所得税を申し出たときに、あなたが住んでいる市区町村にあなたのお給料のデータが送られます。そして、住民税が計算されます」

「そうなんですね。じゃあ年末調整っていうのは会社にお給料とお給料から計算した所得税を申し出ることなんですか?あれ?所得税の計算なんてしたことないですよ」

「もちろん、あなたは所得税の計算はしてませんよ。年末調整は、 会社があなたの所得税と住民税の確定申告を代わりにやってくれるシステ

と言いましたよね?」

「あっ、そうでした。確定申告って?」

「 確定申告とは、所得税と住民税を確定する申告のことで、文字通り、自分で収入を申し出て告げる、ものです。本来なら、あなたは自分でお給料をまとめて、所得税の計算をするんです。ですが」

「ですが?」

「会社員の場合は、会社がまとめて社員の確定申告をしてくれるんです。これを年末調整、といいます」

「会社が私の確定申告をしてくれるから、私は毎年確定申告をしなくてもいいんですね」

「そうなんですよ」

「あの、容子先生」

「なんですか?」

「会社が私の確定申告をするなら、どうして年末調整、というんですか?確定申告、とは言わないんですか?」

「 おー、いい質問ですね!所得税と住民税の確定申告は、本来なら2月から3月にするのは知っていますか?」

「あっ、ポスターとか見たことあります、いつも2月くらいですよね」

「所得税と住民税の計算の元は、1年間の収入なんですね。この1年間というのは決まっていて、1月1日から12月31日です。会社員の場合は、1月1日から12月31日までにもらったお給料や賞与ですよね」

「そうなりますよね」

「12月にもらう給与や賞与って、12月31日までにはすでに決まっていますよね?」

「はい、うちは25日にもらいます」

「ですから、会社員の場合は、2月まで待たずに、12月末、つまり年末までに、あなたが払う所得税を計算してしまうんです。そして、12月に払うお給料や賞与で所得税を調整する。年末に所得税を調整するので年末調整というんですね」

「住民税は?」

「住民税は、所得税を調整するのに使ったあなたの1年間のお給料のデータをあなたが住んでいる市区町村に会社が送ってくれます。そして、来年の6月に通知が来ます。住民税は1年遅れでお給料から引かれていくんですよ。この話はまた後日しましょうか」

「容子先生、年末調整を何のためにするのかがわかりました!ありがとうございます」

会社にいる社員一人一人が払わなくてはいけない所得税と住民税を計算する元を作る。これが年末調整担当者の役割です。

では、年末調整をしてもらう側のあなたの役割は?

年末調整をするときに必要な書類をそろえることです。次回は必要な書類についてお伝えしていきますね。

今日のポイント

  • 年末調整とは、会社員の所得税と住民税の確定申告
  • お給料だけなら、自分で所得税と住民税の確定申告をする必要はない

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