NISA制度とは、NISA口座という特別な口座を通じて投資をしたときに、投資商品を売買した利益に税金がかからないという制度です。NISAには3つ種類があります。
- 2014年にスタートした一般NISA
- 2016年にスタートしたジュニアNISA
- 2018年にスタートしたつみたてNISA
このうち、最初にスタートした一般NISAは、10年間は100万円まで非課税になる制度です。2014年から10年後、2023年には一般NISA制度は終了します。では、2024年以降は一般NISAを使って投資していた商品はどうすればいいのでしょうか?
前回のコラムで、NISAのロールオーバーとNISAの変更点について書きました。
「容子先生、それでNISAの変更点ってなんですか?」
「変更点というか、2024年から一般NISAが新しくなるんですね。新NISAとしてリニューアルします」
「そうなんですね、じゃあ前のNISAとはどうちがうんですか?」
「リニューアルした新NISAは、非課税枠が122万円になるんです」
「今は非課税枠は120万円だから、2万円増えるわけですか?」
「んー、そういうわけではないんですね」
「えっ?容子先生、どういうことですか?」
一般NISAは投資商品(株式など)を買うための特別口座1本立てでしたが、新NISAは2本立てになります。
新NISA=つみたてNISA(非課税枠20万円)+一般NISA(非課税枠102万円)の2本立て
「2019年に一般NISAの口座を利用して買った投資商品から新NISAにロールオーバーができますが、そのときに投資商品の金額が一般NISAの非課税枠の102万円を超えていれば、一般NISA102万の枠はいっぱいになります」
「はい」
「では新NISAの2本立てのうち残っているのは?」
「つみたてNISAの非課税枠の20万円?」
「そう、そのつみたてNISAの非課税枠20万円の枠に投資商品の金額の102万円を超えた金額が入ります。
例えば、ロールオーバーする時点で投資商品の金額が150万円になっていたら、一般NISAの非課税枠102万円はいっぱいになり、つみたてNISAの非課税枠20万円もいっぱいになります」
「はい、そうですね、全体の非課税枠は122万円しかないから、いっぱいになりますよね」
「そうですね。となると、これで新NISA口座の非課税枠はいっぱい、新しくNISA口座を使っての投資はできません」
「あっ、それって、今のNISAと同じですね」
「そうですね」
「じゃあ容子先生、もしロールオーバーする時点で投資商品の金額が122万円より少なかったら?例えば110万円なら?一般NISAの非課税枠102万円はいっぱいになって、8万円はつみたてNISAの非課税枠を使うから、つみたてNISAの枠は12万円残る!これで合ってますか?」
「正解です!」
「やった!」
「2024年からはつみたてNISAで積立てられる商品を12万円まで買うことができます」
「でも容子先生、一般NISAとつみたてNISAで買える商品はちがうんじゃなかったんでしたっけ?」
「ちがいますね」
「だから容子先生は、NISAの枠が2万円増えるわけじゃないっておっしゃったんですね!」
「そうですよ」
「じゃあ、容子先生、もし投資商品が70万円だったら、一般NISAの非課税枠を70万円使って、一般NISAの非課税枠はあと32万円あるから追加で一般NISAで投資はできる!どうですか?」
「当たりです!」
まとめてみます。
2019年に買った商品が2023年12月時点で
- 150万円になった→一般NISAの非課税枠102万円はいっぱい、つみたてNISAの非課税枠枠20万円もいっぱい、新しく投資はできない。
- 110万円になった→一般NISAの非課税枠102万円はいっぱい、つみたてNISAの非課税枠20万円は8万円使う、つみたてNISAのみあと12万円は非課税で投資できる。
- 70万円になった→一般NISAの非課税枠102万円は70万円使う、残り32万円は一般NISAで非課税で投資できる、つみたてNISAの非課税枠20万円はまるまる空いているので20万円までは非課税で投資できる。
次は、一般NISAとつみたてNISAで買える商品についてお伝えします。
今日のポイント
- 新NISAは2本立て
- ロールオーバー時の投資商品によってそれぞれの枠の使える金額がちがう