【制度の使いこなし方】年末調整に必要な書類~その2~

【カテゴリー】制度の使いこなし方| オフィス・ラ・クレ 2. 制度の使いこなし方

前々回のコラムで、年末調整とは会社員の所得税と住民税の確定申告のことで、会社があなたの手続を代わりにやってくれるもの、とお伝えしました。そして前回のコラムでは、年末調整の手続のために必要な書類の一つ、扶養控除等申告書についてお伝えしています。

さて今回は、書類の2つ目、保険料控除申告書です。

「容子先生、次はこの書類です」

「保険料控除申告書ですね」

「これ、いつも保険会社から来る書類をつけて会社に出しているんですが、合っていますか?」

「合っていますよ。 保険料控除申告書は、4か所書くところがありますよね?

  • 生命保険料
  • 地震保険料
  • 社会保険料
  • 小規模共済掛金

毎年全部書いていますか?」

「全部は書いたことはありません、2つだけです。えーと、生命保険料地震保険料のところです」

「そうですね。2つだけ書く人が多いですよね」

「毎年同じように書類に書いて、保険会社から来る書類をつけて会社に出しているんですが、容子先生、これは何のために書いてるんですか?」

「おっ、興味を持ちましたね?」

「だって、前回の扶養控除等申告書は、毎月お給料から引かれる税金を少なくするためと、年末調整をしてもらうためだったんですよ。この保険料控除申告書も、書けば何かいいことがあるんですよね?」

「もちろんです。保険料控除等申告書を書き、それに保険会社から来る書類、保険料控除証明書をつければ・・・」

「つければ?」

「所得税や住民税が安くなる可能性があるんです」

「どのくらい安くなるんですか?」

「それは、次の3つで決まります。

あなたの給料にかかる所得税の率→お給料の額によって変わります。

あなたが1年間に払った保険料の金額→1年間とは、1月から12月です。

あなたの保険の契約時期→2011年12月31日までに契約しましたか、2012年1月以降ですか?

ですから、どれだけ安くなるよ!とは一言では言えないんですよね。ただ、払った保険料の全額が戻ってくるわけではないことは確かです」

「そうなんですね。あ、容子先生、一つ気になることが」

「なんでしょうか?」

「私は介護保険に入ったおぼえはないんですが、保険料控除証明書に介護医療保険料対象、と書いてあるんですが、これはどうしてですか?」

「これはですね、所得税の計算をするときの、あらかじめ決められた分類なんです。保険の内容によって生命保険、介護医療保険、個人年金保険と分けられます。だから、介護保険、という保険に入っていなくても、保険料控除申告書に書くときには介護医療保険料のところに書きます」

「そうなんですか、気にすることはないんですね」

「気にすることはありませんよ」

「あと、ですね、容子先生、地震保険料控除のところに、入っている火災保険の会社からの証明書の金額を書いていますが、実際に払った金額とはちがうんですね」

「地震保険料は、地震保険料だけでは加入できないんです。火災保険や住宅総合保険などにオプションとしてつけますので、払った金額の一部が対象になりますね」

「なるほど!わかりました!」

これで、書くところはすべて書き終えることができました。ですが、いつも自分が書いていないところが気になるようです。

「容子先生、いつも書いたことはないんですが、社会保険料控除と小規模共済掛金控除、これはどういうものなんですか?私が書くときはあるんでしょうか?」

「そうですね。例えばこんな時に書きます。

  • 社会保険料控除

今年1月から12月まで同じ会社にいる人はほとんど関係ありません。

1月2日以降に今の会社に入社した人、例えば今年4月に入社した人は関係があります。1月から3月の間に、自分で国民健康保険や国民年金のお金を払っていましたか?払った金額を保険料控除申告書に書いて証明書をつけることで、所得税や住民税を安くすることができるかもしれません。

国民年金なら保険と同じように控除証明書が来ているはずですので、控除証明書を提出しましょう。国民健康保険は、基本的には控除証明書は来ませんので、金額を自分で申告します。ただ、会社によっては、証明書が必要なところがありますので、その場合は、お住まいの市役所等で請求してくださいね。

  • 小規模共済掛金控除

共済なんて入ってないし、小規模共済って何?というあなた、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入していませんか?iDeCoに加入していて掛金を払っているなら、保険料控除申告書に書いて証明書をつけることで、所得税や住民税を安くすることができるかもしれません。

どうでしょう?書くことがありそうですか?」

「容子先生、もし私が転職して次の会社で年末調整をするときには、社会保険料控除も書くことがあるかもしれないんですね」

「そういうことですね」

「わかりました!私は今年ずっと同じ会社だし、iDeCoに入っていないので、生命保険料と地震保険料だけでいいんですね」

「そうです」

「これで保険料控除申告書も書き終えました!ところで容子先生、扶養控除申告書と保険料控除申告書以外にも、年末調整で書く書類はあるんですか?」

「ありますよ。次の最終回は、扶養控除等申告書、保険料控除申告書以外の書類についてお伝えしましょう」

「よろしくお願いします!私も関係あるかな?」

「どうでしょうね?」

今日のポイント

  • 保険料控除申告書は、自分で生命保険や地震保険に入っている人だけが提出します。保険料控除申告書に書いて、保険料控除証明書をつけましょう。
  • 今年1月から12月の間に転職した人は、自分で払った健康保険や国民年金も保険料控 除申告書に書くと、所得税・住民税が安くなる可能税があります。

    当サイトは、お客様の個人情報について、お客様の承諾がない限り第三者に開示、提供を一切行いません。ご提供いただいた個人情報を取り扱うにあたり管理責任者を置いて、適切な管理を行っています。

    *は必須項目です。

    ◆ お問い合わせ内容
    個別相談についてのお問い合わせセミナーについてのお問い合わせ講師依頼についてのお問い合わせその他、ご質問やお問い合わせ

    ◆ お名前 *

    ◆ メールアドレス *

    ◆ ご質問やお問い合わせの内容をご記入ください。

     個人情報の取り扱いについて、同意の上送信します。(確認画面は表示されません。)

    タイトルとURLをコピーしました