【制度の使いこなし方】年末調整②~年末調整に必要な書類 その1~

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前回のコラムで、年末調整とは会社員の所得税と住民税の確定申告のことで、会社があなたの手続を代わりにやってくれるもの、とお伝えしました。

今回は、毎年の年末調整で必要な書類についてお伝えします。書類はたくさんあるので、3回に分けてお伝えします。1回目の今回は、必ず提出する書類です。

「容子先生、会社から色々書類をもらったんですが、これ全部書いて出さないといけないんでしょうか?」

「会社から色々書類をもらったんですね。一つずつ、書いて出さないといけないか確認していきましょうか」

「はい、容子先生。まずはこれです」

扶養控除等申告書

(国税庁ホームページより)

扶養控除等申告書ですね」

「あの、容子先生、扶養って何ですか?」

「扶養とは、あなたの収入であなた以外の人の生活を支える、ということですね。この扶養控除等申告書には、あなたの収入で生活している人の情報を書きます

「私には私の収入で生活している人はいないから、この書類は出さなくていいんですね?」

「いえいえ、それはちがいます。扶養控除等申告書は必ず書いて出さないといけません。あなたの収入で生活している人、ここにいますよね?」

「はい?」

「あなた自身がいますよね?」

「あっ、そうか!」

「それと、扶養控除等申告書を提出する理由は、あと2つあります。こちらの方が重要ですよ!」

「どんな理由ですか?」

扶養控除等申告書を提出しないと、

  • 来年の年末調整の対象とならない
  • 来年1月のお給料から引かれる所得税が多くなる

というデメリットがあります」

「年末調整されないと困ります!それに、引かれる所得税が多くなるってどういうことですか?」

「例えば、お給料が200,000円だった場合、引かれる所得税の金額のちがいはこうです。

  • 扶養控除等申告書を提出した場合→5,480円(扶養する人がいない場合)
  • 扶養控除等申告書を提出しなかった場合→26,800円」

「 ええっ?えーっと・・・5倍?」

「そうです、痛いですよね?」

「絶対書いて出します!一番上の氏名とか住所を書いておけばいいんですよね?」

「そうです、印鑑を押すところがあるので書き終わったら押しましょうね」

「はい!」

「それと、書類は消せるボールペンでは書かず、きちんとボールペンで書きましょう

「は?」

「書き直せるから、といって消せるボールペンで書く人がいるんですよ。ほら、それ、消せるボールペンじゃありませんか?」

「あっ、いつもこれで書いているから・・・」

「手続に使う書類は、誰かが勝手に書き直せないようにボールペンで書くことになっています。気をつけましょうね。」

「はい、わかりました。ボールペンですね」「そうそう」

「あっ、容子先生、私、一つ気がつきました!」

「なんでしょう?」

この扶養控除等申告書だけ、他の書類とちがって、来年の分です!令和2年度(※今は2019、令和元年)って書いてある!来年の年末調整や、来年からのお給料から引かれる金額にかかわるからですね?」

「おー、正解です!素晴らしい!」

「やったー!」

「では次回は、保険料控除等申告書についてお伝えしますね」

「はい、容子先生、よろしくお願いします!」

今日のポイント

  • 扶養控除等申告書は正社員なら必ず出しましょう。
  • 扶養控除等申告書を出さないと、来年の年末調整の対象とならなくなったり、お給料から引かれる所得税の金額が大きくなります。

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