ミステリが好きです。
といっても、ミステリ愛好家の方には及びもつきません。どんなミステリでもOK!というわけではなく、好きな作家に限られます。ひとりごとでは、時々私が好きなミステリのことを思いのままに語ります。
ミステリが好きになったのは、高校時代に読んだハヤカワ・ミステリのアガサ・クリスティーシリーズでした。その頃の本はまだ手元にありますが、値段が今と比べて安い・・・300円とかですからね。もちろん、消費税もまだない時代です。
一番初めに買ったのは、王道ともいえるそして誰もいなくなったです。アガサ・クリスティーの代表作の一つですね。
そして誰もいなくなった。原題は、And Then There Were None。1939年で英国で出版されたときの原題はこれとはちがっていました。私が買った本の表紙には最初の原題が書かれていますが、こちらにはあえて書きません。気になった人は調べてみてくださいね。話の内容も、本を読めばわかるのであえて書きませんので、気になった人はぜひ読んでみてください。
周囲から孤絶した密室で、限られた容疑者。“クローズド・サークル”というミステリ用語があります。クローズド・サークルとは、外界との往来が立たれた断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を扱った作品を指すそうです。まさしくクローズド・サークルものですね。そして誰もいなくなったのような陸の孤島、嵐の孤島、吹雪の山荘、客船、列車。密室はミステリにはつきものです。
10人が島に集まっていく過程から引き込まれました。それぞれ訳ありの10人。そして語られる10人の過去の罪。一夜明けるごとに一人ずついなくなっていく。最後に残るのは・・・?
内容は言わずもがな、翻訳者の語り口が私に合っていたのでしょうか。あっと言う間に引き込まれ、読み終えると、次の作品が読みたくなりました。 そして誰もいなくなったには、ポアロもマープルも存在しません。私が名探偵たちを知ったのは、この後に買った作品からです。黄ばんだ文庫を時々読み返しながら、ここから私のミステリ遍歴は始まったのだと、思いをはせるのです。