前回のコラムでは、iDeCoの特徴を2つお伝えしています。
- 60歳から受け取れる
- 税金のメリットと裏のデメリット3つのうちの2つ
今回は、 iDeCo のメリットの最後の1つと、 iDeCo を始めるときの注意点です。
「容子先生、 3つ目のiDeCoのメリットはなんですか?」
「はい。iDeCoのメリットの3つ目は、受け取るときの税金のメリットです。前の2つをあらためて確認しましょう。
- iDeCoで払った掛金の一部が税金から差し引かれる
- iDeCoで払った掛金を投資して利益が出たら、その利益には税金がかからない
そして、
- 税金が安くなるメリット その3
iDeCoは60歳から自分で掛けたお金を投資した結果を受け取ります。 iDeCoで貯めたお金をもらうときには、iDeCo以外でお金をもらうときよりも税金が少なくなります」
「そうなんですか?どのくらい少なくなるかは・・・金額によるんでしょうね」
「おっ、かなりわかってきたのではありませんか?そうなんです、
- 受け取る金額
- 60歳までの掛けた月数
- 受け取り方
によってどのくらい税金が少なくなるか?は変わります」
「受け取る金額と、60歳までの掛けた月数、はわかりますが、受け取り方は選べるんですか?」
「選べますよ。受け取るときには、
- 一度にもらう
- 分けてもらう
が選べます」
「へえ、そうなんですね。自分で選ぶんですか?」
「そうです。60歳になって、もらい始めるときに選びます。そしてのこのメリットにも裏のデメリットがあります」
「それは?」
「どのように受け取れば税金が安くなるかを考えるのがけっこう面倒です。例えば会社から退職金を受け取る予定なら、受け取り方を考えないと税金が多くかかってしまうこともありますし、分けてもらうときには、手数料が引かれることもあります」
「えっ、どの方法が一番得になるかを自分で考えなきゃいけない?」
「そうなんです。そしてこの受け取り方は、iDeCoを始めるときには考えておかないといけないんです」
「容子先生、受け取り方まで?」
「ですから、 iDeCo を始めるときには、このことがとても大切になります。これです!」
一度iDeCo の口座を作ったら、金融機関は変えない
「えっ、容子先生、どうしてですか?金融機関を変えることはできないんですか?」
「金融機関を変えることはできます。でも、例えば、金融機関を変更しようすると、手順はこうなります。
- 今の金融機関のiDeCoの口座を解約する
- 解約したお金を新しい金融機関のiDeCoの口座に移す」
「容子先生、大した手間じゃないように思えますけど?」
「確かに手間はあまりかからないかもしれませんね。でも、こんなことがあるのであまりおすすめしていないんです。
- 解約して移すには2~3ヶ月かかる
- 口座を移している間は投資ができないため、投資のタイミングを逃すかもしれない
- 解約に手数料がかかることもある」
「じゃあ容子先生、金融機関はどうやって選べば?」
「いい質問ですね!選ぶポイントは3つです」
- 金融機関を選ぶポイント その1
掛金から引かれる手数料の金額が少ない。 掛金から手数料を引いた金額が投資にまわります。手数料は加入したときにかかるものと、毎月掛金から引かれるものがあります。金融機関によって手数料はちがいますので注意しましょう。
- 金融機関を選ぶポイント その2
投資する商品がわかりやすい。これは、あなたにとってわかりやすい、ということです。 投資する商品も、金融機関によってちがいます。投資信託なら投資金額によってさらに手数料がかかります。“よくわからない”商品に投資することはやめましょうね。
- 金融機関を選ぶポイント その3
希望する受取方法がある。 受取方法も金融機関によってちがいます。あなたが希望する受取方法が5年に分けて受取りたい、であれば、5年に分けて受け取れる方法があるか確認しておきましょう。分けて受け取るときの手数料も必ず確認しましょうね。
「容子先生、どれを選べばいいのかわからなくなってきました・・・パンフレットで一つずつ確認するんですか?」
「このサイトで比較できますよ。
(特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会HPより)」
「わあ、容子先生、ありがとうございます!」
「パンフレットで一つずつ確認するのは大変ですものね」「はい!助かります!」
「わからないことがあればいつでも相談してください」「はい、ありがとうございます。いくつか希望する金融機関を選んでみますのでまた相談してもいいですか?」
「もちろんです」
iDeCoを始めるのは大変そう・・・でも、大切なあなたの60歳以降のお金のことです。準備をきちんとすることが、これからの安心につながっていきますよ。
今日のポイント
- iDeCoは受け取り方まで考えて金融機関を選ぶ
- 金融機関は自分に合うものを選ぶことが大切