7月は、賞与の計算をクリアするのテーマで2回に分けてお伝えします。
賞与とは、会社が設定している給与以外のお金です。年何回払うか、いくら払うか、について会社が決めており、賞与がある場合には、必ず就業規則(会社のルール)に計算方法や支給日などが決められています。
賞与の計算をクリアするには、賞与から引かれるものを正しく計算することが必要です。
1回目は、賞与から引かれる社会保険料と雇用保険料の計算でした。
2回目の今回は、賞与から引かれる所得税の計算と、その後の手続です。
所得税
給与から引かれる所得税の計算は、給与の合計額から社会保険料を差し引いた金額を、源泉徴収税額表に照らし合わせて計算します。賞与は給与と同じ計算はできません。
- 必要なデータは3つです。
①前月の給与から社会保険料を引いた金額
②賞与の支給金額から社会保険料を引いた金額
③給与所得の扶養控除申告書から扶養の人数
- データが3つそろったら、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(以下、表といいます)を準備します。
国税庁ホームページ
- 表に①前月の給与から社会保険料を引いた金額と③扶養の人数を当てはめて、算出率を出します。算出率は、0.000%~45.945%と幅広いですよ。
- 算出率を、②賞与の支給金額から社会保険料と雇用保険料を引いた金額にかけて所得税を計算します。例えば、算出率が2.042%で、1回目の例を使うとこのようになります。
賞与の支給金額234,567円-(健康保険料11,700円+介護保険料2,129円+厚生年金保険料21,411円+雇用保険料1,407円)=197,920円。197,920円×2.042%=4,041円が所得税の金額です。
住民税は?
住民税は賞与からは引きません。間違えないようにしましょう。
1回目の例を使うと、実際に振り込む金額は、
賞与の支給金額234,567円-(健康保険料11,700円+介護保険料2,129円+厚生年金保険料21,411円+雇用保険料1,407円-所得税4041円)=193,879円です。
賞与の計算はクリアできましたか?
賞与を支払った後の手続
賞与支払届の提出を5日以内に行いましょう。
日本年金機構ホームページ
所得税の支払
翌月の所得税の支払のときに、賞与から引いた所得税をプラスして払いましょう。
賞与支払い後の手続もクリアです!