7月は、賞与の計算をクリアするのテーマで2回に分けてお伝えします。
賞与とは、会社が設定している給与以外のお金です。年何回払うか、いくら払うか、について会社が決めており、賞与がある場合には、必ず就業規則(会社のルール)に計算方法や支給日などが決められています。
賞与の計算をクリアするには、賞与から引かれるものを正しく計算することが必要です。
賞与から引かれるものは、社会保険料、雇用保険料、所得税です。1回目の今回は、賞与から引かれる社会保険料と雇用保険料の計算です。
社会保険料
社会保険料は、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料を合わせたものです。給与から引かれる社会保険料の計算は、給与を元に計算した標準報酬月額にそれぞれの保険料率をかけて計算します。賞与は給与と同じ計算はできません。
- 標準賞与額を計算する
賞与の支給額の千円未満を切り捨てます。例えば、賞与の支給金額が234,567円なら、234,000円です。
- 標準賞与額に社会保険料の保険料率をかけて計算する
- 健康保険料は、加入している健康保険により率が変わります。給与のときに使っている標準報酬月額表に保険料率が書いてあると思いますので、その率で計算しましょう。例えば、10%なら、234,000円×10%×1/2=11,700円です。1/2を忘れずに!
- 介護保険料率も、加入している健康保険により変わることがあります。全国健康保険協会なら1.82%ですので、234,000円×1.82%×1/2=2,129円です。こちらも1/2を忘れずに。
- 厚生年金保険料率は18.3%です。234,000円×18.3%×1/2=21,411円です。
合計は35,240円です。
雇用保険料
雇用保険料の計算は、給与と同じです。支給額に雇用保険料率をかけて計算します。
雇用保険料率は、会社の事業によって変わりますが、一般の事業は0.6%です。賞与の支給金額が234,567円とすると、234,567円×0.6%=1,407円です。
今回の賞与計算は、年に3回以内の賞与の場合です。年に4回以上であれば計算も変わります。
次回は、所得税の計算と、その後の手続です。