投資するならこの制度を使うとオトク!と言われるiDeCoとNISA。それぞれの特性を知って選びましょう。でも、あなたが選べないものもあるかもしれませんよ?
「容子先生、私、iDeCoをしたいんです!」
「また急な話ですね。どうしました?」
「将来が心配なんです」
「はい、将来ね」
「将来です、ええと、リタイア後。この前、お金のセミナーに参加してきたんです」
「お金のセミナー?」
「はい。うちの会社、定年が65歳に延びて、あと30年は働けそうなんです」
「おっ、そうなんですね」
「で、リタイアした後も、今は人生100年時代とかで、まだ35年あるから、これから早めにリタイア後に備えた方がいいじゃないですか。ですから、参加してみました」
「なるほど。どうでしたか?」
「基本は年金ですけど、それだけじゃ足りないだろうから、これから色々投資をして残しておいた方がいいって言われたんです」
「投資じゃなくてもいいですけどね、貯蓄という手もあります」
「貯蓄じゃ増えないじゃないですか!投資です!ですからiDeCoです!」
「投資だって増えるかどうかわかりませんけど、まあ、それでiDeCoですか?」
「そうなんです。iDeCoとNISAが紹介されてたんです」
「紹介されていた中で、あなたがiDeCoを選んだ理由は何でしょう?」
「60歳まで引き出せないからちょうどいいかなって。後、税金が安くなるんですよね。で、容子先生、iDeCoをするにはどうしたらいいですか?」
「えっと、その前に、あなたがiDeCoができるかどうかを確認してみましょう」
「私が、できるかどうか?」
「確か、会社に退職金制度があるって言ってませんでした?」
「はい、企業年金が」
「その制度によってはiDeCoには入れないかもしれませんよ」
「えっ?」
「iDeCoとは、個人型確定拠出年金制度のことなんです。そして、会社で退職金制度があり、これが企業型確定拠出年金だったら、もしかしたら、iDeCoはできないかもしれません」
こちらでチェックしてみましょう。
(国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」より)
「あー、私、iDeCoには加入できません、と判定されちゃいました。容子先生、どうしてですか?」
「それはですね。
- iDeCoは基礎年金の上乗せなので、自営業の人などのように、今国民年金を払って基礎年金のみをもらう人のためのもの、という性格が強い
- 会社員は基礎年金に厚生年金が上乗せされてもらうため、iDeCo上乗せは自営業の人などに比べて少なくてよい
だからなんです。基礎年金と基礎年金+厚生年金だと年金の金額に差があるので、その差を埋めるためにiDeCoに加入をすすめているんですね」
「そうなんですね。でもセミナーで言われたから私もできるのかと思ってました」
「セミナーには色んな人が来ますからね。会社員ばかりではないでしょうし、会社で退職金制度がなければiDeCoは加入できますから。まあまあ、そう落ち込まないで。企業年金は企業型確定拠出年金制度、と。会社が掛金を払ってくれているんですよね?」
「え、はい、そうです」
「企業型確定拠出年金制度も投資の一つですからね。定年にはまだ時間があることだし、投資の勉強をするつもりで色々チャレンジしてみてもいいかもしれませんよ」
「投資の勉強をするつもりで?」
「だって、自分がお金を出しているわけはないじゃないですか。少しは気が楽になりません?」
「ああ、確かに」
「将来受け取るのは自分ですからね。ほっとくのもちょっともったいない気もします」
「今まで定期預金にしかしてなかったんです」
「それはもったいない!」
「ですよね。投資の勉強と思って、これから色々チャレンジしてみます。またわからなかったら質問してもいいですか?」
「もちろん、いつでもいいですよ」
「あ、じゃあ、もう一つのNISAにチャレンジしてみたいな。容子先生、NISAとつみたてNISA、あとジュニアNISAというのがありますが、これは私は使えますか?」
「使えないものと使えないものがありますよ」
「またですか?」
「次回で説明しましょう」
「はい!」
今日のポイント
- 会社員の場合は、iDeCoはできないこともあります。確認してみましょう
- 会社の退職金制度が企業型確定拠出年金なら、それは投資です。会社が掛金を払っているなら、投資へのチャレンジに使ってみるのもいいでしょう