社会保険特集の第1回は、社会保険とは何か?第2回は、社会保険の保険料の決まり方についてお伝えしました。最終回である今回は、社会保険に加入して働くか?加入しないで働くか?をお伝えします。
社会保険に加入しないで働くことは、日本に住み、日本で働いている限りありえません。日本に住んでいる人はすべて、社会保険に加入しているからです。
社会保険に加入して働くとは、正確に言えば、会社で社会保険に加入して働き、お給料から社会保険料が控除されているということです。
会社で社会保険に加入するのは、会社が社会保険の箱となっていることが必要です。
株式会社などの法人はすべて箱となりますが、個人事務所などでは箱になっていないこともありますので注意しましょう。
- 会社の正社員であれば、会社で社会保険に加入します
- 正社員でない場合は、正社員の4分の3以上の時間と日数で働いていれば社会保険に加入します
- 正社員の4分の3未満であっても、働く会社の規模によっては社会保険に加入します。
日本年金機構
会社で社会保険に加入すれば、社会保険からサービスを受けたりお金がもらえたりします。
健康保険であれば、長期間休んだときの傷病手当金や出産時の出産手当金、将来の年金には厚生年金が上乗せされます。保険料は2分の1の支払いですみます。
会社で社会保険に加入しなければ、あなた自身が健康保険と年金に加入し、保険料は全額自分で払います。
「扶養の範囲内で働けば保険料は払わなくていいのでは?」
確かにそうです。では扶養の範囲内で働くとはどういうことでしょうか?扶養の範囲内で働くとは、家族の扶養に入るということです。家族の扶養に入るには、収入が少ない、など条件があります。
日本年金機構
ここでポイントです。
- 正社員の4分の3未満であっても、働く会社の規模によっては社会保険に加入します。
- 働いている会社で社会保険に加入するのであれば、例え収入が扶養の範囲内であっても、保険料を払わない扶養の範囲内でいることはできません。
例えば、501名以上の会社(2022年10月以降は101名、2024年10月以降は51名)で、社会保険に加入する収入のラインは月額88,000円、1年間では約106万円です。扶養の範囲内の130万円ですが、会社で社会保険に加入することになるので、扶養となることはできません。
働くのであれば、収入ラインに一喜一憂せず、会社で社会保険に加入して働いた方が、万一の保障も扶養よりは充実します。保険料を払うことで安心を手に入れることができるとも考えられますね。
今日のポイント
- 会社で社会保険に加入するには条件がある
- 会社で社会保険に加入すれば家族の扶養にはなれない