2022年最初の制度の使いこなし方のコラムです。2022年もオフィス・ラ・クレをよろしくお願いいたします。
本日お伝えする制度は、傷病手当金です。
傷病手当金とはどのようなものなのでしょうか?
傷病手当金とは、会社員が、業務上または通勤中以外のケガや病気で会社を休んだ場合、お給料の代わりとしてもらえるものです。
業務上のケガや病気とは、会社で仕事中に仕事が原因で起こったケガや病気のことで、通勤中のケガや病気とは、会社と自宅の往復時に起こったケガや病気のことです。
傷病手当金とは、会社員なら誰でももらえるのでしょうか?
会社員なら誰でも、というわけではありません。傷病手当金は、会社で健康保険に加入している会社員のみがもらえるものです。会社で健康保険に加入している会社員とは、お給料から健康保険料が引かれている会社員です。それ以外の人はもらえません。
お給料の代わりということですが、お給料そのものの金額がもらえるのでしょうか?
お給料そのものの金額ではありません。標準報酬日額×3分の2×休んだ日数です。
標準報酬日額とは、標準報酬月額という、健康保険料を計算する元になる金額を30で割った金額です。だいたい30日休んだら、お給料の3分の2がもらえると思っておけばよいでしょう。
傷病手当金は、どんなときでももらえるのでしょうか?
傷病手当金には、会社で健康保険に加入しているという条件の他に、こんな条件があります。
- ケガや病気で仕事ができないこと。自宅待機でもかまいません。仕事ができない、ことが大切です。
- ケガや病気で連続3日間会社を休んだ後、4日目以降からもらえます。連続3日間は、土日など会社が休みの日でも、有給休暇をとってもかまいません。4日目からなので注意しましょう。
- ・お給料がない、もしくは少ないこと。お給料が傷病手当金の金額を超える場合には、上乗せして傷病手当金は受けられません。
傷病手当金は、自分で手続をするのでしょうか?
実際に受け取るのは休んでいる人ですが、お給料がない、もしくは少ないことが条件になりますので、会社の証明は必須です。会社と連携を取って手続をしましょう。
傷病手当金は、退職しても受けられますか?
退職前に傷病手当金をもらい始めていれば、退職後ももらうことができます。
さて、そろそろあの質問が来る頃でしょうか。
傷病手当金はいつまでもらえるのでしょうか?
来ましたね!そう、ここが、傷病手当金が変わったところです。変わった日は2022年1月1日。よーく聞いてくださいよ。
傷病手当金は、通算1年6ヶ月もらえます。
ポイントは、通算です。2021年12月31日までは、通算ではなく、最大でした。最大1年6ヶ月とは、もらい始めてから1年6ヶ月目がゴールということです。つまり、もらい始めてから1年6ヶ月経って、お給料がない状態であっても期限切れで傷病手当金はもらえなくなりました。ところが、通算1年6ヶ月に変わり、傷病手当金は1年6ヶ月分もらえるということです。
例えば、3ヶ月休んでいったん復帰し、その後1年経って同じ原因でまた会社を休んだとします。スタートからは1年3ヶ月経っていますから、今まではあと3ヶ月しかもらえませんでした。ところが、1月からは、あと1年3ヶ月分はもらうことができるのです。開始日から1年6ヶ月経つ日をゴールとして、フル日数を出します。そのフル日数分までもらうことができます。
入退院を繰り返して仕事をしている人にとっては朗報です。 2022年1月現在で、まだ1年6ヶ月分受け取っていない人が対象です。2020年7月以降に傷病手当金を受け取り始めた人は、まだ傷病手当金をもらえるチャンスがあるかもしれません。
今日のポイント
- 傷病手当金をもらえるゴールが変わった
- 最大1年6ヶ月から通算1年6ヶ月へ