労災保険は、正式名称を労働者災害補償保険といいます。会社員=労働者が、仕事や通勤でのケガや病気に対応する保険です。ケガや病気の治療や仕事を休んだときのお給料代わり、障害を負ったときや死亡したときなどの補償をしてくれます。労災保険は、あなたのお給料からは引かれていません。会社が保険料を全額払っています。労災保険がなければ、労災保険対応の補償はすべて会社がしなければなりませんから、会社が労災保険に加入して備えています。1回目は、仕事でケガをしたら?でした。
2回目の今回は、通勤中にケガをしたら?です。
例えば、雨の日に最寄り駅の階段で転び、骨折して病院へ行ったとします。
通勤中のケガは必ず労災になる?
通勤中のケガは必ず労災になるというわけではありません。通勤の途中にどこかに寄った場合は、寄った場所や理由によっては労災と認められない場合もあります。
厚生労働省ホームページ
ケガをしたときに、会社に届け出ているルートとちがうルートで通勤していた場合でも、労災と認められることはあります。ちがうルートだから労災ではない、と決めつけないようにしましょう。
病院窓口でしなければならないことがある?
健康保険証を出さないでください。
健康保険はプライベートのケガで使うものです。今回は通勤中のケガですから、健康保険は使えません。窓口で労災です、と伝えましょう。
ケガの治療をしてもらったら支払いは?
健康保険を使うなら、治療費の3割を払って終わりですが、労災保険はひと手間かかります。いったん治療費の全額を負担します。
その後、請求書を作って病院か労働基準監督署に出します。
病院に出すのは、治療を受けた病院が労災指定病院の場合、労働基準監督署に出すのは、治療を受けた病院が労災指定病院でなかった場合です。
厚生労働省ホームページ
ただし、仕事でケガをした場合と、提出する書類はちがうので注意しましょう。病院に出された請求書は労働基準監督署に提出され、調査後、労災と認められれば、治療費は全額戻ります。
もし健康保険証を使ったら?
労災なのに健康保険を使った場合は、まちがった保険を使って治療を受けたことになります。健康保険に連絡して残り7割を払い、労働基準監督署に請求書を提出してお金を戻してもらいます。
厚生労働省ホームページ 労災保険に関するQ&A 2-1
次回は、交通事故に巻き込まれたら?です。
今日のポイント
- 通勤中のケガも労災の対象
- 通勤中に寄り道をした場合は注意