新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言再発出やまん延防止措置のために様々な影響が出ています。ワクチン接種もすすんでいますね。ワクチン接種は自由のため、うつ、うたないの選択は一人一人にまかされていますが、ワクチン接種をしても新型コロナウイルスにかからないという保障はないので、手洗い、消毒などの予防は必要のようです。ただ、もし予防をしていたとしても、新型コロナウイルスにかかってしまったら?そして入院してしまったら?どんな制度が使えるのか、3回にわたってお伝えします。
新型コロナウイルスで入院して治療を受けるときに、使える制度は健康保険の7割引の制度です。健康保険証はすぐ出せるところにありますか?健康保険の7割引の制度は、健康保険証を病院の受付に出して、健康保険で治療を受ける意思表示をして初めて使えます。もし新型コロナウイルスで入院する原因が仕事中であった場合は、労災保険を使うので健康保険証は使えませんが、今回は仕事が原因で新型コロナウイルスにかかったのではない前提でお伝えします。
健康保険の7割引の制度を使って治療をしていても、入院すれば治療費は高くなります。そんなときに使える制度が高額療養費制度。健康保険対象の治療費が一定以上になった場合、あなたが支払う治療費をさらに少なくできる制度です。
例えば、100万円の治療費がかかり、30万円を支払うことになった場合、高額療養費制度を使えば約9万円ですみます。(収入によって少なくできる治療費は変わります)
(全国健康保険協会 ホームページより)
高額療養費制度は、全国健康保険協会だけではなく、健康保険組合の健康保険や国民健康保険に入っている人も使える制度です。
高額療養費制度を使うときには注意点が2つあります。
- 治療費は月の1日~末日までにかかった金額が対象になります。
例えば、8月に72,000円、9月に228,000円の治療費を支払った場合には、支払う金額は約16万円となり、約9万円ではありません。8月分の治療費は高額療養費制度の対象とならず、全額支払うことになるからです。
- 高額療養費制度は基本的には治療費を先に支払い、治療費が自己負担限度額を超えた場合にあとで払い戻される制度です。
例えば、100万円の治療費がかかった場合、30万円の治療費を払い、後で約21万円が戻ってきます。最初に出ていく金額が大きいので、お金の準備が必要です。ですが、支払う金額を30万円ではなく約9万円でする方法があります。限度額適用認定証を健康保険証と一緒に病院に提出しておくことです。ですが、限度額適用認定証は今はあなたの手元にはないはずです。限度額適用認定証は、使うときに請求する手続が必要です。(75歳以上の人は、健康保険証とセットで手元にあります)
(全国健康保険協会ホームページより)
※国民健康保険や健康保険組合の場合は、お住まいの市や健康保険組合の申請書を使ってください。
高額療養費制度を使うかな、と思われるときには、あらかじめ限度額適用認定証を加入している健康保険に請求しておくと、ただし、限度額適用認定証の使用期限は1年です。1年を超えて再度入院した場合は、新たに請求しましょう。ちなみに、現在進んでいるマイナンバーカードを健康保険証の代わりに使う、という制度を利用すれば、この限度額適用認定証の請求手続は不要になります。
新型コロナウイルスにかかって入院するときには急なことが多いでしょう。体調が悪いときに色々と考えるのはむずかしいと思います。入院=健康保険証と限度額適用認定証!と覚えておけば、いざというときにあわてずにすみますよ。
次回は、入院後、しばらく自宅療養することになっても使える制度をお伝えします。
今日のポイント
- 入院のときには高額療養費制度を使って治療費をおさえることができる
- 限度額適用認定証の請求をして支払うお金を少なくできる