2021年の制度の使いこなし方のコラムも今回で最後です。2022年も様々な制度の使いこなし方をお伝えしていきます。 制度は毎年変わりますが、2022年は特に、年金の制度が大きく変わります。年金はまだ私には関係ない、と思っていませんか?ですが、今働いている現役世代のあなたにも関係することはたくさんあります。具体的な内容や使いこなし方は来年のコラムでお伝えするとして、
何がいつ、どのように変わるか?
を今回はお伝えします。
2022年1月
- 傷病手当金
健康保険の制度です。傷病手当金が受けられる期間は、受け始めてから1年6ヶ月がゴール、1年6ヶ月たつと、まだ病気やケガが治らず仕事ができない場合でも打ち切られてしまっていました。1月1日の段階で、まだ1年6ヶ月分を受け取っていない人は、1年6ヶ月分になるまで、受け取ることができます。2020年7月1日以降に受け始めた人はチャンスがまだあるわけですね。
- 健康保険の任意継続
退職してからも会社の健康保険に加入できる任意継続制度は、任意脱退ができませんでしたが、任意脱退ができるようになります。1月からは、脱退を申し込めばその月の末日で任意継続が終了します。退職して1年経過してからもまだ会社で健康保険に加入していない場合、国民健康保険の方が保険料が安い、ということもありますから、いつでも任意継続を終了させられるのはメリットでしょう。
2022年4月
- 住宅ローン控除
住宅ローン控除の控除率が減り、控除年数が延び、受けられる年収上限が下がります。控除率は1%→0.7%、控除年数は10年→13年、受けられる年収上限は3,000万円から2,000万円。控除率は下がりますが、控除年数が延びますので、対象になる住宅の金額や年収によって、必ずしも増税ということではないかもしれません。
2022年5月
- 確定拠出年金
企業型確定拠出年金の加入が70歳まで、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入が65歳まで、5年延長されます。受け取る金額を増やしたい場合は、長く加入することが必要ですから、将来の資金を増やす可能性が高くなります。
2022年10月
- 短時間労働者の社会保険加入範囲
加入範囲が拡大されます。週20時間以上働いている人で、500人を超える会社に勤めている人はすでに社会保険に加入していますが、500人が100人に変わります。うちの会社は500人もいないから大丈夫、と思っていても、100人超であれば、働き方が同じであれば2022年10月からは社会保険に加入します。
- 出生時育児休業
新しく始まる制度です。子どもの誕生から8週間以内に最大4週間の休業を分割して2回まで取得できます。女性の場合は、子どもの誕生8週間は産後休業として強制的に休みになりますので、出生時育児休業は、別名男性版育休と呼ばれます。休んで給料がなくなったり少なくなったりした場合には、雇用保険の育児休業給付金を受けることができます。社会保険料も会社が手続することで免除されます。
すべてではありませんが、お給料をもらって働いているあなたに関係する制度です。
制度が変わるときには、変わった後で知ることが多いものです。あらかじめ知っておくと、心の準備をしておくことができます。特に、10月に変わる社会保険加入範囲の拡大や出生時育児休業は、会社とやりとりすることになりますので、制度を知っていることで会社と話をしやすいかもしれませんよ。
今日のポイント
- 2022年は制度が色々と変わる
- あらかじめ知っておくことで準備ができる