前回のお金とのつきあい方のコラムで、将来への備えのポイントについて書きました。今回は、それぞれの備えについて使いこなし方をお伝えしましょう。制度を使いこなすには、制度を知る必要があります。今回は一つ目、iDeCoです。
iDeCoとは個人型確定拠出年金の愛称です。
あなた(個人)が、お金を出し(拠出し)て、作る年金
のことです。あなたがいまお給料から引かれている厚生年金も同じですね。お給料から引かれているということはあなたがお金を出しているということ、そして今や将来使える年金になります。ただ、厚生年金とiDeCoにはちがいがあります。
- 厚生年金はお金を出すのがあなたと会社の両方ですが、iDeCoはあなただけがお金を出します
- 厚生年金は出したお金を運用してくれるのはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)ですが、iDeCoは出したお金を運用するのはあなた自身です
では、iDeCoを始めるにはどうすればいいのでしょうか?
- iDeCoを始めるには、まずiDeCoのための口座を開きます。
- 毎月払う金額を決めて、引き落とす口座とリンクさせます。
- iDeCo口座に出したお金の運用先を決めます。口座を開いた金融機関に準備されている投資信託などから選びます。運用先はいくつでも選べます。
iDeCo口座に出すお金からは毎月手数料が引かれます。最低で171円。つまり、あなたがiDeCoに毎月10,000円出すなら、運用できるのは9,829円です。
iDeCoにお金を出すことを60歳まで繰り返し、60歳時点で拠出+運用が10年以上あれば、拠出していたお金を受け取ることができます。受取方はまとまって(一時金)か、分割(年金)かを選べます。
次に、iDeCoを始めるときの注意点です。
- iDeCoの口座を開くことができるのは一つの金融機関だけです。
- 変更することはできますが、手続は面倒です。iDeCoの口座を解約してそのお金があなたの普通預金に入る、ということにはなりません。なぜなら、iDeCoの口座に出したお金は60歳までは引き出せませんから、変更後のiDeCoの口座に移ることになります。新たなiDeCo口座を開くには、古いiDeCo口座を解約しなければなりませんから、その間、古い口座に出していたお金は宙ぶらりんのまま。運用もされません。運用の結果は変動します。あなたがその期間内に運用していたら得たかもしれない利益、それも放棄してしまうことになります。金融機関は変更しないことをおすすめします。
金融機関を選ぶときには、60歳以降に受け取るときの方法や手数料も確認しましょう。どのような受け取り方が準備されているのか?分割して受け取るときには手数料がいくら引かれるのか?調べてからiDeCo口座を開いた方がいいですね。
でもどうやって選ぶの?そう思ったあなたは、こちらをどうぞ。金融機関ごとに準備されている運用先、手数料が載っています。選ぶときの参考にしてくださいね。
(特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会)
そしてiDeCoは60歳まで引き出せないのが最大の特徴です。
iDeCo口座に入れたお金が必要になっても引き出せません。60歳からのお金を保管しておく先として使いましょう。毎月支払うお金は5,000円からです。変更は1年に1回しかできません。生活費を圧迫しない金額にしましょう。iDeCoにお金をいくらまで出せるか?こちらでiDeCoに加入できるか、いくらまでできるかがチェックできますよ。
(iDeCoナビより)
iDeCoに出したお金を使って、税金を安くすることもできます。制度を上手に使って将来へ備えましょう。次回はNISAです。
今日のポイント
- 将来への備えの一つ、iDeCoは60歳以降のお金の保管先
- 一つの金融機関でしか使えないので金融機関を選ぶときに慎重に