【制度の使いこなし方】税金①~確定申告は何度でもチャレンジできる

【カテゴリー】制度の使いこなし方| オフィス・ラ・クレ 2. 制度の使いこなし方

給与明細の内容を聞きたい、というご相談者の方との会話で、税金の話になりました。

「給与明細の源泉所得税、というところなんですが、これは年末調整とか確定申告とかと関係あるところですよね?」

「そうです。年末調整と確定申告は所得税の精算をすることですから、することは同じなんですけどね」

「でも、確定申告じゃないとできないことがあるじゃないですか」

「ありますね」

『源泉所得税』『年末調整』『確定申告』、耳慣れない言葉かもしれませんね。ちょっと説明しておきましょう。

源泉所得税

お給料という収入には所得税という税金がかかります。所得税は、1月から12月の1年間の収入を計算して、毎年払います。

本来なら、これは一人一人が計算して払いますが、会社員は、会社が代わりに計算して払ってくれています。1年まとめてだと金額が大きくなってしまうので、毎月のお給料から分割して引落し、会社が代わりに毎月払っています。

この分割して引き落とされている税金が源泉所得税です。

年末調整

所得税は1月から12月の1年間で毎年きちんと精算します。

源泉所得税の1月から12月の1年間の合計額が、1年間の所得税の金額とピッタリ合えばいいのですが、1年間のお給料の金額は正確には予測できませんよね。金額が予測できないので、毎月のお給料から引き落とされている金額は、1年間のお給料に対する所得税の12分の1より少し多めの金額です。例えば、

  • 毎月のお給料から引き落とされた源泉所得税 1万円
  • 1年間のお給料をまとめて計算した所得税 10万円

毎月のお給料から引き落とされた源泉所得税は、1年間で12万円ですね。でも、1年間のお給料をまとめて所得税を計算したら10万円でした。2万円多く払ってますね。この2万円を12月のお給料であなたに戻す手続、これが年末調整です。年末調整は会社で手続をしてくれます。あなたが会社員であれば、12月はなんだかお給料が多いなあ、と感じているかもしれませんね。でもそれは、お給料が多いのではなく、今まで払いすぎていた所得税が戻ってきただけかもしれませんよ。

確定申告

年末調整で払い過ぎた所得税は戻ってきます。会社員の方はほとんど年末調整で全部戻ってくるのですが、年末調整ではできない手続がいくつかあります

この場合は、自分で戻す手続をしなければなりません。これを確定申告といいます。確定申告の手続の時期は、年が明けた翌年1月以降になります。

「昨年は、自分で確定申告をしたんです」

「どんな手続をされたんですか?」

「入院して手術をしたので、医療費控除という手続をしたんです。領収書まとめておいて、書類も色々書いて大変でした。でも、一部の領収書を捨ててしまっていて、もったいなかったですね」

「健康保険から来る医療費の明細でもかかった金額はわかりますよ」

「えっ?そんなの来るんですか?」

「来てると思いますが、もし手元にないなら再発行できないか聞いてみてください」

「してみます!でも、同じ年のものを何度も確定申告していいんですか?」

何度でもかまいませんよ。所得税を返してもらう手続なら5年はさかのぼれます。書類は何度も書かないといけませんけどね」

医療費控除は、かかった医療費が一定金額以上になると、税金を戻してもらえる制度です。年末調整はできず、確定申告で手続をしないといけません。

病院の領収書が必要ですが、手元にない場合は『医療費のお知らせ』にかかった金額が記載してあるので『医療費のお知らせ』を利用することが可能です。※2019年7月現在※

確定申告には使わないかも?と思っても、病院へ行ったときの領収書は保管しておきましょう。

「今年は元気だから使わないと思います。頭痛持ちなので頭痛薬は欠かせませんけど」

「頭痛薬を買った時のレシートは残してます?」

「え?どうだったかな・・・?」

「確定申告で使えるかもしれないんですよ」

「え、そうなんですか」

「今からでも残しておくようにしましょうね」

なぜ、“頭痛薬のレシートを残しておいた方がいい”のか?

それは次回で!

今日のポイント

  • 病院の領収書、医療費のお知らせは捨てずに保管しておきましょう。
  • 所得税を戻してもらう確定申告は5年間、何度でも可能です。

    当サイトは、お客様の個人情報について、お客様の承諾がない限り第三者に開示、提供を一切行いません。ご提供いただいた個人情報を取り扱うにあたり管理責任者を置いて、適切な管理を行っています。

    *は必須項目です。

    ◆ お問い合わせ内容
    個別相談についてのお問い合わせセミナーについてのお問い合わせ講師依頼についてのお問い合わせその他、ご質問やお問い合わせ

    ◆ お名前 *

    ◆ メールアドレス *

    ◆ ご質問やお問い合わせの内容をご記入ください。

     個人情報の取り扱いについて、同意の上送信します。(確認画面は表示されません。)

    タイトルとURLをコピーしました