【制度の使いこなし方】残業代の計算って?②

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残業した日が勤務日か休日かによって残業代がちがう、と前回のコラムでお伝えしました。

残業代は、人それぞれの給料によって計算の元になる金額がちがいます。時給で働いている場合は、働いた時間で計算ができますが、月給の場合、時給で計算するよりもちょっと複雑になります。

「容子先生、私は月給で働いてるんですが、残業代ってどのように計算されるんですか?」

「月給なんですね。じゃあまず、残業代の計算の元になるあなたの時給を出してみましょう」

「私の時給?月給で働いているんですが・・・」

「残業代は残業した時間で計算するので、時給ベースの金額が必要なんですよ。月給を時給ベースにします。」

「えっと・・・時給ベースにするなら、月給を働いた時間で割るんですか?」

「おっ、いいところに気づきましたね、そうなんです」

「でも容子先生、働いた時間って、残業を含んだ時間ですか?ちがいますよね?」

残業時間は含みませんよ

「えっと、先月働いた時間は・・・?ん?容子先生、働く時間って毎月ちがいますよ?8月はお盆休みがあったから働いた時間はいつもより少ないんです。毎月働いた時間で割るんですか?」

「いえいえ、そんなことはしませんよ。月給が変わらないのに、時給ベースの金額が変わってしまいますからね」

「じゃあ働いた時間って?」

時給ベースで使う働いた時間は、会社の就業規則で決まっています

「就業規則?」

就業規則とは、会社のルールブックです。会社で働くときのルールが色々書かれていますが、その中に、月給の人の残業計算をするときのルールも書かれています。毎月働く時間はちがうので、1年間働く時間を12で割って、1ヶ月の平均時間を会社ごとに決めているんですね。

「えっ?会社の就業規則に書いてあるんですか?見たことがありません・・・」

「じゃあ、とりあえず仮の時間で計算してみましょう。土日休みの会社なら、確か全国平均では・・・」

「容子先生、160時間で計算しましょう!」

「はっ?160時間、いいですよ。どこからその時間が?」

「1週間5日、8時間で40時間です。1ヶ月はだいたい4週間ありますから、40時間が4回で160時間!それで計算しましょう!」

「わ、わかりました」

「それで、私の月給を160時間で割れば時給ベースになるんですね?」

「ストップストップ!月給全部が時給ベースの対象にはならないんですよ」

「えっ?」

「時給ベースを計算するときに、計算に入れないものがあるんです」

時給ベースを計算するときに、計算に入れないもの

  • 通勤手当
  • 家族手当(家族を養うためのもの)
  • 住宅手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当(子どもの教育のためのもの)
  • 臨時の給料、1ヶ月超の給料

「この中から給与明細にあるものを探してみてもらえますか?」

「えーと、通勤手当と住宅手当があります」

「通勤手当と住宅手当ですね。この2つですが、社員の全員が同じ金額ですか?それとも、一人一人金額がちがいますか?

通勤手当は自宅から会社の金額ですから、全員ちがいます住宅手当は、一人1万円で、全員同じです。私賃貸なのに実家から通ってる人と同じってちょっと不公平ですよね」

「ふふ、確かにそうですね。賃貸だとお金がかかるのに」

「でしょー!あ、話がそれました・・・社員の全員が同じ金額とか一人一人ちがうので時給ベースが変わるんですか?」

「変わるんです。社員の全員が同じ金額なら、時給ベースに入れます一人一人ちがう金額なら、時給ベースには入れません

「となると?容子先生?

時給ベースの計算=基本給+住宅手当

ですね!」

「その通りです!では、計算してみましょう。基本給は23万円ですね。それなら・・・

  • 基本給230,000+住宅手当10,000=240,000円

これをさっきの160時間で割ってみます。

  • 240,000÷160時間=1,500円

時給ベースだと、1,500円ですね」

「じゃあ、例えば、4時間残業したら?」

「計算してみましょう。

  • 勤務日 1,500×4時間×1.25=7,500円
  • 休日 1,500×4時間×1.35=8,100円

ですね。どうでしょう?」

「なるほど!月給の場合はこういう計算になるんですね!会社の就業規則で月に働く時間を確認して、私の残業代を計算してみます!」

「そうそう、就業規則には、月平均所定労働時間、と書いてあると思いますよ。その言葉を探してみてください」

時給ベースの計算に入れる手当名は、労働基準法という法律に書いてある手当名です。

会社によって色んな手当名があるでしょう。例えば扶養手当なら家族手当の意味ですから、社員みんなが同じ金額をもらっているなら時給ベースに入れます子どもの数によってちがう、というのであれば時給ベースには入れません。

今日のポイント

  • 月給の人の残業計算は、まず時給ベースの金額を計算することから。
  • 時給ベースの計算で使う1ヶ月に働く時間は、就業規則をチェック!

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