【制度の使いこなし方】通勤途中で転んだ!病院の受付での最初の一言は?

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あなたは通勤途中の駅で転んで骨折しました。痛みをこらえて病院へ行き、受付で最初にすることは?

「容子先生、病院で健康保険証を使ってはいけないんですか?」

「はい?えっと、どういうことでしょうか?」

「会社の人が駅で転んで、あまりにも痛いので病院へ行ったらしいんです。病院へ行ったら健康保険証を出しますよね?診てもらったら腕を骨折していたんです」

「あら、それは大変でしたね」

「治療してもらった後会社に行ったら、『健康保険証を使ったらダメじゃないか』って言われたらしいんですよ。病院で健康保険証を使ってはいけないんですか?」

「ああ、わかりました。それは病院の窓口で健康保険証を出しちゃダメなパターンですね」

「えっ?出してもいいパターンと出しちゃダメなパターンがあるんですか?」

「そうなんです。例えばこのケースですと・・・

  • 病院で健康保険証を出してもいいパターン

   休みの日に転んだ場合

  • 病院で健康保険証を出しちゃダメなパターン

会社内で転んだ、会社の行き帰りで転んだ場合

の、ダメなパターンになりますね」

「あっ、会社内で転んだ場合ならわかります、労災っていうんですよね?これは労災保険を使うから健康保険は使えない!」

「正解です!」

労災とは、労働災害の略です。会社員が仕事が原因でケガをしたり、病気になることをいいます。

「じゃあ容子先生、会社の行き帰りで転んだ場合、もしかして労災ですか?」

「そうです、通勤災害といいます」

「会社の中で転んだ場合とはちがうんですか?」

「会社の中で転んだ場合は、業務災害といいます」

業務災害は、会社の中で転ぶなど、仕事が原因でケガや病気になった場合です。

通勤災害は、会社の行き帰りにケガ等をした場合です。ただし、どんなときでも通勤災害になるとは限りません。

例えば次のようなときには通勤災害にはなりませんので注意しましょうね。

通勤災害にならない場合

  • 帰りに映画館によって、映画館から家までの間にケガをした
  • 仕事終わりに飲み会に行って、店から家までの間にケガをした
  • 通勤ルートをいったんはずれ、その後家までの間にケガをした

通勤災害と認められるには、会社と家の往復の間でケガをしたということが基本になります。

「じゃあ容子先生、さっきの人は病院の窓口でどうすればよかったんでしょう?」

「いい質問ですね。そういうときには窓口で一言『労災です

「『労災です』」

「そうです、そうすれば、病院は健康保険じゃなく、労災保険扱いにしてくれます」

「労災になれば窓口では支払わなくていいんですよね」

「そう、基本的には支払わなくていいですね」

「容子先生、基本的に?・・・もしかして、支払わないといけないときがあるんですか?」

「それが、支払わないといけないときがあるんですよね。行った病院が労災指定病院なら、窓口で支払わなくていいんですが、もし労災指定病院でなかったら、窓口でいったん全額を支払い、その後手続をして支払った金額が戻ってくる、ということもありえます」

「えっ、全額って、10割払うんですか?払うのが無理な場合はどうするんですか?」

「それは窓口で相談になりますね。病院も全額払えないなら治療しません、ということはありませんので大丈夫ですよ」

「あー、びっくりした。あっ、それなら容子先生、今回のように健康保険証を使ってしまった場合はどうするんですか?」

「いい質問です!それはこういう手順で修正していくことになります。

  • 病院の窓口で健康保険扱いから労災保険扱いに変更ができるかどうかを確認する
  • 変更ができれば、窓口負担を戻してもらう
  • 変更できない場合は、7割を一旦負担して、その後10割をすべて戻してもらう手続をとる

手間はかかりますから、最初に病院の窓口で『労災です』ということはどんなに大切かわかりますよね」

「最初の一言は大事ですね。今からでも労災保険に切り替えられるか病院に聞いてもらうことにします」

「それがいいですね。あっそうそう、労災指定病院を検索できるサイトがありますから、ここであらかじめ会社の近くや駅の近くを調べておくことをおすすめします。ケガで痛いときに検索なんてしていられませんからね」

労災保険指定医療機関検索

(出典:厚生労働省)

「ありがとうございます!会社に貼っておいてもいいかも!」

「ナイスアイデア!会社の人にも役立ちますね」

今日のポイント

  • 会社の行き帰りにケガ等をした場合は通勤災害として労災保険が使える可能性があります
  • 労災指定病院をあらかじめ検索しておくと便利です!

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