年末調整。それは会社員だけの特権。
そろそろ年末調整の季節ですね。今回から4回に分けて年末調整についてお伝えしていきます。今年の年末調整は色々と変わっています。変わった点もお伝えしていきますが、その前に、年末調整とは何でしょうか?
「容子先生、年末調整の書類が来ました。今さらなんですけど、年末調整とは何ですか?」
「年末調整とは、会社があなたの所得税と住民税の確定申告を代わりにやってくれるシステムです。お給料から税金が引かれていますよね。お給料の明細に所得税や住民税がありませんか?」
「えっと・・・はい、あります。源泉所得税、これが所得税ですか?住民税もあります」
「そうです、源泉所得税は、所得税のことです。毎月のお給料から所得税と住民税が引かれていますよね?」
「はい、所得税と住民税が引かれています。その確定申告を代わりにやってくれるシステムが年末調整?容子先生、確定申告って何ですか?」
「確定申告とは、所得税と住民税を確定して国に申告、つまり知らせることです。本来なら、あなたは自分の1年間のお給料から所得税の計算をして、国に知らせて自分で支払うんですね」
「えっ、めんどくさそう・・・」
「ただ、会社員の場合は、この確定申告を会社が代わりにしてくれます。この手続を年末調整といいます」
「本来なら私が税金の計算や支払をしないといけないけど、会社が私の所得税と住民税の確定申告をしてくれるから、私は毎年確定申告をしなくてもいい、ということですか?」
「その通りです!」
年末調整には、2つの手続があります。まず所得税の計算と調整です。
所得税の計算の元は、1年間の収入です。1年間というのは、1月1日から12月31日です。1年間の収入とは、1月1日から12月31日までにもらったお給料や賞与です。12月31日までに、
- 払うべき所得税の金額を計算し、
- 12月に払うお給料や賞与で所得税を調整します。
年末に所得税を調整するので年末調整といいます。
2つめの手続は、住民税の計算です。
住民税の計算の元も、所得税と同じ1年間の収入です。住民税は、所得税を計算・調整するのに使った1年間のお給料のデータを住んでいる市区町村に会社が送り、市区町村が払うべき住民税を計算します。
住民税は、翌年の5月に払うべき金額が会社に通知され、翌年の6月から1年間かけてお給料から引かれていきます。計算・調整はすでにされているので、所得税のように会社が計算・調整はしません。
「容子先生、年末調整の2つの手続がよくわかりました!じゃあ容子先生、年末調整のときに色々と書類を書くのはこの2つの手続のためなんですか?」
「そうです」
「毎年書くから何となく見たことのある書類が多いんですが、こんな書類ありましたっけ?基礎控除とかなんとか・・・」
「それは今年から新しくできた書類ですね。次回で説明しましょう」
「よろしくお願いします!」
今日のポイント
- 年末調整とは、会社員の所得税と住民税の確定申告です
- 収入がお給料だけなら、自分で所得税と住民税の確定申告をする必要はありません