【制度の使いこなし方】会社員の確定申告 その3~確定申告をする前に知っておきたいこと

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会社員のあなたは、所得税と住民税は年末調整という手続で計算が完了します。

年末調整は11月にコラムに書きました。12月は確定申告についてお伝えします

会社員は確定申告は必要ないんじゃないの?そう思ったあなた、

  • 確定申告をすれば所得税や住民税が少なくなる可能性があるかもしれませんよ?
  • 確定申告をしなければならないかもしれませんよ?

第1回は医療費控除、第2回はふるさと納税についてお伝えしました。今回は、確定申告をする前に知っておくことです。

収入は一つの会社のお給料だけですか?

収入が一つの会社からのお給料だけであれば、年末調整で所得税と住民税の計算は終わりますので、確定申告は必要ありませんが、他に収入があった場合は話が変わります。

他に収入はありませんか?

  • 他の会社からもお給料をもらっている
  • 自分のものや自分で作ったものを売ってお金をもらった
  • 株を持っていて配当金を受け取った

会社員でも確定申告が必要な場合は?

  • お給料の年間金額が2,000万円を超える
  • お給料以外で収入があり、所得(収入-費用)の金額の合計額が20万円を超える
  • 2つ以上の会社からお給料をもらっていて、年末調整されなかった会社のお給料の収入金額やお給料以外の所得を合わせて20万円を超える

給与所得者で確定申告が必要な人

国税庁ホームページ

あなたはどうでしょうか?確定申告が必要なら、来年になったら必ず手続をしましょう。

こんなときは確定申告をするときには慎重に

株の配当金を受取り、そこから引かれている所得税や住民税を戻してもらうために確定申告をするとき

配当金を受け取ったとき(配当所得)

国税庁ホームページ

配当金からは、所得税が15.315%、住民税が5%引かれています。

配当金が入金されるときの通知書にも書いてありますね。例えば配当金が1,000円なら、797円の振込です。これは源泉徴収といい、あらかじめ所得税と住民税が引かれているため、すでに税金の支払いは入金時に終了しています。ですから、確定申告をしなくてもかまいません。

ただ、配当金をお給料と合わせて確定申告すると、配当控除という控除が受けられます。その結果、配当金から引かれていた所得税が戻ってくることがあります。

税金が戻ってくる、となると確定申告してみたいと思いますよね?でも、ここで注意

収入が増えることであなたが損しませんか?

  • 配当金をお給料と合わせて確定申告をすると、お給料+配当金が収入となります。
  • 確定申告をしなければ、お給料だけが収入です。

例えば給与所得が47万円(給与収入なら102万円)、配当金が2万円だったとします。給与所得が48万円以下(給与収入なら103万円)であれば家族の扶養に入ることができます。

確定申告をして、配当をお給料にプラスすると?

給与所得と配当金を合わせて49万円となり、扶養範囲から外れます。所得が大きくなると、保育料にも響くかもしれません。子育てしつつ扶養の範囲内で働く人には確定申告は必ずしもいいことではありません。子育てしていない、扶養の範囲内でも働いていない、のであれば、確定申告をしてもいいし、しなくてもかまいません。

2022年の「制度の使いこなし方」コラムは今回で終了です。

今年もコラムをお読みいただきありがとうございました。来年1月は、確定申告はどうするの?から始まります。2023年もよろしくお願いいたします。

今日のポイント

  • 会社員でも確定申告をしなければならないときがある
  • 制度を使うときには慎重に

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