今回は、経理処理の話です。年度更新と定時決定、経理でどのように扱うのでしょうか?実は正解はありません。きちんと経理処理=仕訳をしていれば問題ないのです。
年度更新
年度更新は、4月~3月を一区切りとして、労災保険と雇用保険の精算と今後1年の仮払いをする手続です。
労災保険は会社が全額支払うので法定福利費で処理してOKですが、雇用保険は色んな方法があります。2つご紹介します。
雇用保険経理処理 その1
- 1年分払ったときに、会社が払う3分の2は法定福利費で処理し、社員の給与から引く3分の1は立替金(従業員立替金でもOK)で処理をします。
- 社員の給与の経理処理をするときに、給与から引いた雇用保険は立替金で処理をします。
雇用保険を払ったとき→法定福利費240,000円/現預金360,000円
/立替金120,000円
給与から引いたとき→給与 300,000/現預金 230,000円
/預り金(社会保険料) 45,000円
/立替金(雇用保険) 5,000円
/預り金(所得税・住民税) 20,000円
立替金で処理をした場合、社員の給与から実際に引いた金額の合計と、立替金の合計金額がずれる場合があります。その場合の処理をどうするのか決めておきましょう。ずれてもそのままで置いておくのもよいですが、きちんと説明できるよう管理が必要です。
雇用保険経理処理 その2
- 1年分払ったときに、すべての金額を法定福利費にしておき、社員の給与の経理処理をするときに、法定福利費で処理をします。
給与から引いたとき→給与 300,000/現預金 230,000円
/預り金(社会保険料) 45,000円
/法定福利費(雇用保険) 5,000円
/預り金(所得税・住民税) 20,000円
法定福利費で処理をした場合には、管理は必要ありません。
定時決定
定時決定は、4月、5月、6月の給与の平均から毎年の標準報酬月額を再計算し、9月分から社会保険料を変更する手続です。
経理処理は、
- 社員の給与から引く社会保険料を預り金、会社が払う社会保険料を法定福利費とする。
- 社員の給与から引く社会保険料を法定福利費で処理をする場合もあります。
預り金で処理をした場合、預り金+法定福利費がほぼ半々であることを、翌月の支払い時に確認する必要があります。
9月分の社会保険料を給与から引くときに定時決定の結果を反映し、10月末の支払時に合っているか確認しましょう。
経理方法は様々ですが、給与計算が合っているのが前提です。まずは給与計算を正確に!