11月は年末調整の準備についてお伝えしました。第1回 第2回 第3回
今回は、年末調整時に受ける質問についての対応をお伝えします。
私が体験したことや聞いたこと(掲載許可は取っています)です。こんなことも聞かれた!などの体験談があれば、よければ問い合わせフォームを使って教えてください。
還付ではなく徴収なのはおかしくないですか?
おかしくはありません。 年末調整は、1月から12月まで給与や賞与から控除された所得税の精算手続です。
- 控除された金額が払うべき所得税額より多ければ還付
- 控除された金額が払うべき所得税額より少なければ徴収
昨年まで還付だったのに今年から徴収になった場合、考えられることは、
- 扶養に入れていた配偶者や子どもが収入が増えて扶養ではなくなった
- 昨年まで払っていた保険を解約して保険料を払わなくなった
などが考えられます。
昨年はもっと還付金額が多かった、計算がまちがっているのではないですか?
まずは念のために確認してみましょう。まちがっていれば翌年1月まで修正は可能です。源泉徴収票の再発行や修正方法については、会社のやり方があるので手続方法を確認しましょう。
まちがっていなければ、丁寧に説明しましょう。
ポイントは、年末調整は、1月から12月まで給与や賞与から控除された所得税が還付金額の上限であるということです。
例えば4月に正社員から嘱託に変わるなど、給与が下がったり賞与がなくなったりすると、1月から12月まで給与や賞与から控除されている所得税の金額は昨年より少なくなります。所得税の精算手続ですから、控除された所得税の合計額が還付される限度です。 昨年は合計で10万円控除されていて全額戻ってきたなら10万円の還付ですが、今年は合計で5万円控除されていたら5万円の還付の上限です。10万円の還付にはなりません。
給与も、出す書類も家族状況も何も変わっていないのに還付金額がちがうのはおかしくないですか?
まずは念のために確認してみましょう。まちがっていれば翌年1月まで修正は可能です。源泉徴収票の再発行や修正方法については、会社のやり方があるので手続方法を確認しましょう。
ポイントは、必ず毎年同じ還付金額とは限らないということです。
- 税金の制度が変わるとき 2023年と2024年は税金の制度は定額減税があった以外は変わっていません。
- 家族状況は変わっていなくても、年齢が上がって控除が変わるとき
・配偶者控除や扶養控除は12月31日時点で判定します。例えば2023年には22歳だった子どもは2024年には23歳。扶養控除は63万円から38万円に変わります。
次回は、年末調整後の手続の準備についてお伝えします。
(2023.12.1のコラムを一部加筆修正して再掲)