8月は長期休業への手続対応についてお伝えしましょう。
ここでの長期休業とは、1ヶ月を超えて休業することです。1ヶ月を超えると、給与の計算にも影響します。給与の日割計算や賞与への対応などは会社のルールを確認しておきましょう。
前々回と前回は、休業中の手続についてお伝えしました。今回は、復帰、退職の場合の手続です。
復帰する場合
休業の前と同様、お給料計算などの日割り計算は必要です。
給料の大幅な変動があれば、社会保険に加入している人の場合は、随時改定に該当するか確認します。
- 復帰しても治療等のために出勤日数などが少なくなり
- 給料が低くなった場合
- 3か月連続で給料が低くなって(2等級以上の差がある)いれば
- 4ヶ月目に月額変更届を提出して
お給料から引く社会保険料を変更します。
育児休業復帰後の場合は、1等級以上の差があれば4ヶ月目に月額変更届を提出します。
お給料が減っても将来の年金は減らさないことができる
3歳未満の子を育てている場合は、育児休業復帰後、厚生年金保険料を計算する元になる標準報酬月額が下がったとしても、以前の高いままの標準報酬月額に据え置く手続をしておきましょう。
将来の年金が減るのを防ぎます。
有給休暇の計算に注意
仕事が原因の労災で休んだ日や、産休育休で休んだ日は出勤とみなします。
例えば、1年間休んでいたとしても、育休で休んでいたのであれば、8割出勤を計算するときの出勤日には入れなくてはいけません。まちがえて有給休暇をつけないということにならないようにしましょう。労災以外で休んだ場合や通勤が原因の労災で休んだ場合は、出勤とは扱いません。
住民税の徴収方法の変更
住民税を普通徴収にしていた場合は、特別徴収への切り替えをしておきましょう。
では、退職する場合はどうでしょうか?
育児休業給付金
育児休業給付金は復帰が前提の制度ですので、退職後は受け取ることができません。(下記リンクのQ&A19)
傷病手当金
退職後、ケガや病気がよくなって失業手当の申請をした場合にはもらうことはできず、1年6ヶ月分もらっていなくても、そこで打ち切られて復活はしません。 (下記リンクのQ6)
傷病手当金は、同じ原因であれば1年6ヶ月分受け取ることができます。休業→出勤→休業の場合は1年6ヶ月分受け取るまではもらえます。傷病手当金を受け取り始めてから退職した場合には、健康保険を1年以上払っていた、退職日には出勤していないなどの条件をクリアすれば引き続いてもらえます。
復帰の場合も、退職の場合もさまざまな手続が必要です。本人に説明することも忘れずに。